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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション5】
外陰部に発生した10年来の有茎性angiomyofibroblastomaの一例
忽那 ともみ, 大石 康文, 寺田 秀昭, 石川 貴久, 大村 涼子, 森竹 哲也, 加藤 梨奈, 佐川 泰一, 西 洋孝, 伊東 宏絵, 寺内 文敏, 井坂 惠一
東京医科大学産科婦人科学教室産婦人科
【緒言】10年ほど前に右外陰部腫瘤を自覚.徐々に増大し,手拳大となったのを機に手術を行ったangiomyofibroblastoma(血管平滑筋線維芽腫)の症例を経験したので文献的考察を含めて報告する.【症例】44歳.0経妊0経産.10年ほど前に外陰部腫瘤に気付くも放置.その後増大したため,近医受診.手術目的に当科紹介受診となる.初診時右外陰部に有茎性で手拳大の腫瘤を認めた.圧痛なく,可動性は良好であった.MRI検査を施行したところ,索状構造をもって外陰部に突出する腫瘤であり,造影効果を認めた.悪性疾患の可能性も疑い,腫瘍摘出術を行った.肉眼的には約8.5×6.0×5.0cm大の淡褐色調,充実性,弾性軟の境界明瞭な腫瘤であった.組織学的には線維芽細胞様の間質細胞と大小の血管の増殖巣からなっており,間質細胞は卵円形から短紡錘形の小型の核を有し,Mitosisは確認されなかった.免疫組織化学的に,Vimentin(+),Desmin(+),αSMA(-),CD34(-),S-100 protein(-),Ki-67(1%前後に+)であった.良性の間葉系腫瘍であり,血管平滑筋線維芽腫と診断した.術後は再発なく経過している.【考察】血管平滑筋線維芽腫は比較的まれな良性軟部腫瘍であり,主に中年女性の会陰部に発生する.富細胞性血管線維腫やaggressive angiomyxomasとの鑑別を要する.特にaggressive angiomyxomasであった場合は,臨床像が大きく異なるため,注意が必要である.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
400-400, 2014
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