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<< 学会誌へ戻る 【緒言】子宮体部より発生する扁平上皮癌は大変稀な症例である．今回我々は子宮留膿腫の診断にて手術を施行したところ，子宮体部原発扁平上皮癌であった症例を経験したため報告する．【症例】患者は62歳女性，1経妊0経産，下腹部違和感により近医受診，経腟超音波にて卵巣腫瘍を疑われたため当院紹介となった．既往歴は55歳時に乳癌の手術のみである．当院にて施行した経腟超音波およびMRIにて子宮留膿腫が疑われた．子宮頸部細胞診はNILM，子宮体部細胞診は施行を試みたが子宮口閉鎖のため行えなかった．腫瘍マーカーの上昇（CEA 16.2 ng/ml，CA125 255.3 U/ml，CA19-9 42.5 U/ml，SCC 31.9 ng/ml）を認めたため，悪性腫瘍の可能性も考慮し，腹式単純子宮全摘術および右側附属器切除術を施行した．術後病理組織診断は子宮体部にびまん性に細胞異型・構造異型を有する腫瘍性扁平上皮病変を認め，CIN2〜3の病変とともに部分的に角化を有する浸潤性扁平上皮癌を認めた．腫瘍は筋層1/2程度まで浸潤していたことから，子宮体部原発角化型扁平上皮癌（pT1bN0M0，StageIB期）と診断された．【考察】子宮体部原発の扁平上皮癌は子宮体癌全体の0.5%未満と非常に稀な症例である．子宮留膿腫のある場合，子宮頸部や体部病変があることを念頭に置かなければならない．今回我々は手術後に子宮体部原発の扁平上皮癌がわかった非常に稀な症例を経験したので報告する． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 403-403, 2014 |
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