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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション6】
再発子宮平滑筋肉腫に対するパゾパニブの使用経験
堀田 大輔1, 山本 さやか2, 豊田 友子1, 西沢 千津恵2, 飯高 雅夫2, 佐近 普子2, 前 和幸1, 森 篤2
長野県立須坂病院産婦人科1, 長野市民病院婦人科2
パゾパニブは経口のマルチキナーゼ阻害薬であり,悪性軟部腫瘍に対して効果の認められた初の分子標的薬である.今回,2例の再発子宮肉腫に対してパゾパニブを使用する機会を得たので報告する.症例1 59才 子宮平滑筋肉腫1期 子宮単純全摘施行.後治療なし.手術より16ヶ月 肺転移縦隔リンパ節転移及び膵尾部近傍に再発.ドセタキセル/ゲムシタビン療法を行うが,PDであった.イホマイド/アドリアシンに変えたところ,肺縦隔腫瘤は縮小したが,膵尾部近傍の腫瘤は変化なかったので,摘出手術をおこなった.第2回手術から2月後肺転移巣増大 肝転移が出現したので,パゾパニブ800mgを開始した.直ちに高血圧となったので降圧剤併用.1ヶ月後甲状腺機能低下となり,チラージン併用.同時にG3好中球減少となったのでパゾパニブ600mgに減量.4ヶ月後より下痢が起こるようになったので,ロペミンで対応.パゾパニブ使用開始から,14ヶ月となるが,画像上肝転移肺転移はSDである.症例2 69才 子宮平滑筋肉腫1期 子宮単純全摘術施行.後治療なし.手術より3ヶ月後左総腸骨リンパ節転移.ドセタキセル/ゲムシタビン療法行ったが,傍大動脈リンパ節腫大出現.手術から14ヶ月後からパゾパニブ600mgを開始.投与開始から1ヶ月後G2の血小板減少をきたしたので,400mgに減量.5ヶ月のCTでは傍大動脈リンパ節はわずかに縮小していた.結語 抗がん剤無効な子宮平滑筋肉腫の2症例に対してパゾパニブを投与し,それぞれ14ヶ月 5ヶ月 stable diseaseの状態である.また,患者は良好なQOLを維持したまま治療を続けており,パゾパニブは子宮平滑筋肉腫に対する有望な治療薬と思われる.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
404-404, 2014
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