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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション7】
ベバシズマブ併用療法を施行した進行卵巣癌の3例
飯高 さゆり, 長阪 一憲, 織田 克利, 田中 智基, 池田 悠至, 鶴賀 哲史, 足立 克之, 松本 陽子, 有本 貴英, 川名 敬, 大須賀 穣, 藤井 知行
東京大学医学部附属病院女性外科
【緒言】ベバシズマブは血管内皮増殖因子(VEGF)に対するモノクローナル抗体であり,血管新生抑制作用を有する.現時点で卵巣癌での使用経験は少なく,適切な症例選択が求められる.今回卵巣癌に対して,Paclitaxel+Carboplatin(TC)+Bevacizumab(Bev)の併用療法を3症例で施行した.【症例1】49歳.0経産.既往歴に特記事項なし.Stage IIIc(T3cNxM0),大量腹水合併.術前化学療法としてTC療法を開始し,Bev承認後の4コース目にTC+Bev療法を施行した.Day 4に意識消失発作が出現し,てんかんの発症が疑われた.Grade3の発熱性好中球減少症も併発したため,抗てんかん薬,補液,抗生剤投与を行い,軽快した.てんかんはDay 5以降にはみられなかったが,Bevとの因果関係が否定できないため,Bev併用は1サイクルで中止とした.【症例2】60歳.0経産.Stage IIIc(T3cNxM0).初回手術で右付属器切除,大網生検のみ施行し,TC療法4コースにより奏効が得られ,残存腫瘍切除術を施行した.肉眼的完全切除が得られたが,術中の腹水細胞診は陽性であった.術後のTC2コースめより,Bev併用を開始.現在まで2コース施行し,経過良好である.【症例3】42歳.0経産.Stage IIIc(pT3cN1M0),初回再発.初回治療(手術+Dose dense TC療法8コース)終了時から8か月後に腹腔内播種にて再発.TC+Bev併用療法を施行した.Carboplatinアレルギーが生じたが,T単剤+Bev療法に切り替え,Bevを計2回投与し経過良好である.【考察】TC+Bev併用療法を3例で経験した.症例1は手術施行前で多量の腹水を有しており,症例2,3に比して全身状態は不良であった.有害事象のリスクと症例選択について慎重な検討が必要と考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
407-407, 2014
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