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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション7】
10年以上の無病生存期間を経て再発した卵巣癌の2例
市川 大介1, 吉田 裕之1, 佐藤 翔1, 矢野 友梨1, 宮坂 亞希1, 藪野 彰1, 今井 雄一1, 西川 忠曉1, 黒崎 亮1, 長谷川 幸清1, 安田 政実2, 藤原 恵一1
埼玉医科大学国際医療センター婦人科腫瘍科1, 埼玉医科大学国際医療センター病理診断科2
【緒言】卵巣癌では一旦臨床的寛解を得ても再発するケースが多いが最終治療終了後10年以上経過しての再発は稀である.今回我々は10年以上の無病生存期間ののち再発を認めた2症例を経験したので報告する.【症例】1例目は59歳,2000年12月初回治療として手術施行し,卵巣癌進行期IIa期(Mucinous Adenocarcinoma,pTIIaN0M0)の診断.残存病変を認めたためCAP療法4コース施行後2001年9月残存腫瘍切除.その後さらにCAP療法を4コース,TC療法3コース施行後は,明らかな残存病変認めず外来で経過観察となっていた.2013年11月腫瘍マーカー上昇と,左骨盤腔内に60mm大の腫瘤を認め当科紹介.局所再発を疑い,2014年1月開腹手術を行ったが,摘出困難にて,biopsyのみで終了.病理組織検査で腺癌を認め再発と判断.以後DC療法2コース施行し,現在も担癌生存中である.2例目は60歳,2000年5月初回治療として開腹手術施行.卵巣癌進行期IIIc期(Endometrioid Adenocarcinoma,pTIIIcNXM0)の診断でCAP療法6コース施行後は明らかな残存病変認めず外来で経過観察,2011年12月follow終了となっていた.2013年12月脊柱管狭窄症が悪化したために施行したMRI/CTで左大腰筋内に腫瘍を指摘.卵巣癌再発転移を疑われ2014年2月当科紹介.CTガイド下生検行ったところ腺癌を認め再発と判断した.現在までにDC療法3コース行い現在も担癌生存中である.【結語】卵巣癌治療後のfollow-upの期間については議論の分かれるところではあるが,本症例のように長期生存ののちに再発することもあり,慎重な経過観察の必要性が示唆される.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
408-408, 2014
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