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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【若手ポスターセッション7】
卵巣癌終末期の経過中にposterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)を発症した1例


田吹 梢, 古賀 絵理, 大沼 えみ, 谷口 華子, 高見 美緒, 伊藤 朋子, 岩田 亜貴子, 納田 容子, 茶木 修, 中山 昌樹
横浜労災病院産婦人科


【緒言】Posterior reversible encephalopathy syndrome(以下PRES)は,子癇,高血圧性脳症,免疫抑制剤の使用などに伴い頭痛や意識障害,痙攣,視覚異常などの神経症状を呈し,後頭葉を中心に一過性の浮腫性変化を認める疾患である.今回我々は,卵巣癌終末期の経過中にPRESを発症した1例を経験したので報告する.【症例】症例は61歳,3経妊3経産.卵巣癌(pT3cN0M0,clear cell adenocarcinoma)に対し,60歳時に前医で根治術を施行後,化学療法をサードライン(パクリタキセル+カルボプラチン+テムシロリムス→ゲムシタビン→シクロホスファミド)まで行った.術後1年5か月目に,転居のため当院へ転医.PDであり本人と相談の上,化学療法は中止し,対症療法の方針とした.術後1年6か月から出血を伴う腟断端再発巣に対し,放射線照射施行(計50Gy照射).術後1年11か月にイレウス症状が出現したため緊急入院し,イレウス症状緩和のため,絶飲食,オクトレオチドの皮下注射を開始した.入院5日目に視覚異常を認めた後嘔吐し,その後突然の意識障害,痙攣発作が出現.痙攣はすみやかに落ち着いたが左共同偏視を認めた.頭部CTで異常所見なく,頭部MRIで両側後頭葉を中心にFLAIRで高信号,DWIで淡い高信号,ADCmapで軽度の高信号を認めた.所見よりPRESが疑われ,オクトレオチドの皮下注射は中止し,グリセオール投与,ニカルジピン投与を開始した.発作後数時間で意識レベルは回復し,後遺症は認めなかった.発作から10日後,原疾患増悪のため永眠.【結語】担癌患者の終末期経過中に,突然の意識障害,痙攣を認めた場合,脳血管疾患に加え,PRESも鑑別疾患のひとつとして考慮する必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 409-409, 2014


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