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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション8】
子宮頸部円錐切除術症例の切除法の違いによる予後の検討
池田 頌子, 寺本 勝寛, 坂本 育子, 大内 秀高, 池上 淳
山梨県立中央病院産婦人科
【緒言】Cervical intraepithelial neoplasia(CIN),子宮頸癌Ia1期(以下Ia1)に対し子宮頸部円錐切除術が広く行われている.切除方法はcold knife,LEEP,高周波電気メス,レーザー,超音波メスなど様々だが,同一施設内で切除方法を比較した報告は少ない.今回我々は,切除方法と治療予後に関し検討を行った.【方法】2009年から2013年に当院で初回円錐切除術を行い,CIN,Ia1(扁平上皮癌)と診断された486例を対象とし,切除方法による治療成績を比較した.切除方法は半導体レーザーまたは高周波電気メスを用いた.【結果】486例の切除方法は半導体レーザー337例,高周波電気メス149例で,組織型は,CIN1-2 50例(10.3%),CIN3 421例(86.6%),Ia1 15例(3.1%)だった.断端陽性は149例(30.7%)あり,半導体レーザー113例(33.5%),高周波電気メス36例(24.1%)だった.子宮全摘を含む追加治療を行わなかった469例中,再発例は6例(1.3%,半導体レーザー2例(0.6%),高周波電気メス4例(2.8%))あり,全例が切除断端陽性例だった.半導体レーザー症例,高周波電気メス症例の5years DFS(disease free survival)は各々99.1%,95.5%であった.再発例に対し,追加切除を行った5例(子宮全摘4例,円錐切除1例)中4例で摘出検体にCIN3以上の病変を認めた.追加切除を行わなかった1例は,病変の進行を認めず経過観察中である.【考察】当院では半導体レーザー症例は高周波電気メス症例より断端陽性率は高いが,再発率は低い傾向にあり,断端の蒸散が可能なレーザーの特徴を示していると考えられた.しかし,高周波電気メス症例の治療予後も諸報告と比較して良好であり,円錐切除術の選択肢の一つとなりうると考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
411-411, 2014
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