|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション8】
傍大動脈・骨盤内リンパ節転移で発見された原発不明癌の3例
佐藤 杏奈, 杉森 弥生, 高橋 奈々子, 村田 佳菜子, 市山 卓彦, 松田 祐子, 坂本 昇子, 矢田 昌太郎, 永田 理恵, 太田 剛志, 荻島 大貴
順天堂大学医学部附属練馬病院産婦人科
【緒言】原発不明癌は原発巣が不明で組織学的に転移巣が判明している腫瘍と定義され,生存期間の中央値は6-9か月で予後不良である.当科でリンパ節転移で発見された原発不明癌3例について検討する.【症例】症例1:38歳.主訴は不明熱.CTで傍大動脈・骨盤リンパ節腫大を認め,病理組織学的に低分化腺癌を認め,同時に施行した卵巣生検では腫瘍細胞はなかった.子宮内膜・頸部細胞診に異常はなく,原発不明癌の診断でTC療法施行後,開腹手術を行った.子宮卵巣に悪性所見はなく,リンパ節転移のみだった.術後TC療法施行しCRとなったが,治療終了1か月後に骨盤内・鼠径リンパ節に再発し,治療開始から13か月後に原病死した.症例2:58歳.主訴は左下肢痛.CTで傍大動脈・骨盤リンパ節腫大を認め,病理組織学的に扁平上皮癌だった.子宮内膜・頸部細胞診に異常はなく,原発不明癌の診断で放射線同時化学療法を施行しCRとなった.11か月後に直腸膣瘻から敗血症を続発し,他病死となった.症例3:74歳.主訴は頸部リンパ節腫脹.CTで全身のリンパ節腫大を認め,病理組織学的に漿液性腺癌だった.子宮内膜・頸部細胞診に異常はなく,原発不明癌の診断でTC療法施行後,開腹手術を行った.腹腔内はリンパ節腫大のみで子宮卵巣は正常大だったが,付属器に貪食リンパ節像を認め,化療後の変化があった.術後TC療法にてCRとなったが,7か月後に腋窩リンパ節に再発し,PLD療法でCRとなり,3年無病生存中である.【結論】原発不明癌は早期から播種をおこし予後不良であるが,婦人科悪性腫瘍に準じた治療が奏功することもあり,中期予後が望める症例もあった.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
412-412, 2014
|