 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 【緒言】侵入奇胎や転移性奇胎，ヒト絨毛性ゴナドトロピン（hCG）値が高値をとる奇胎後hCG存続症に対してはメソトレキセート（MTX）などの単剤化学療法が原則である．遺残絨毛組織が消滅するまで，またはhCG値が陰性化するまで確実に治療を行うのが一般的である．今回胞状奇胎後に化学療法を行った症例を後方視的に検討した．【症例】過去5年間に当施設で胞状奇胎は15例あり，そのうち4例に化学療法を行った．2例は転移性奇胎（肺転移），1例はhCG値が高値をとる奇胎後hCG存続症，1例は侵入奇胎後で化学療法後の胞状奇胎であった．転移性奇胎の1例は34歳1経産，妊娠14週時正常胎児と奇胎像を指摘され，hCG値は117万mIU/mLと高値を認めた．妊娠33週に前期破水して1765gの女児を自然早産した．児娩出後直ちに奇胎除去術を行い，産褥2日の胸部造影CTで両側肺野の多発転移巣を認めたため，同意を得てMTX療法を7コース行い寛解した．もう1例は20歳1経産，妊娠16週で紹介，胞状奇胎，微小肺転移，両側ルテイン嚢胞（径10cm）を認めた．hCG値は185万mIU/mL，経過非順調型でMTX療法を7コース行い寛解した．【結論】侵入奇胎の予後は良好であり，転移の有無によらず，ほぼすべての症例が寛解にいたるといわれており，当科の症例も寛解にいたった．妊娠合併例や進行した胞状奇胎では肺転移などの可能性が高いため，化学療法が必要になることがあると思われた． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 413-413, 2014 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |