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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【若手ポスターセッション8】
脳転移を有する臨床的絨毛癌の一例


藤田 久子, 碓井 宏和, 生水 真紀夫
千葉大学医学部附属病院婦人科


【緒言】絨毛癌の治療成績は多剤併用化学療法の確立により向上し,最近では90%の症例で寛解するが,脳転移は予後不良因子とされる.脳転移を有する臨床的絨毛癌例を経験したので報告する.【症例】42歳,3経妊2経産(33歳自然分娩,35歳自然分娩,39歳流産(臨床的に胞状奇胎が疑われていた)).小脳梗塞様症状,脳出血,性器出血,hCG22,000mIU/ml,肺病巣あり,臨床的絨毛癌の疑いで当科に紹介転院となった.絨毛癌診断スコア17点で臨床的絨毛癌,FIGO進行期4期,リスクスコア15点,high risk gestational trophoblastic neoplasiaと診断した.入院時は,右半身の麻痺と失行・方向性注意障害など高次機能障害を認めた.転院翌日からMEA療法を開始し,現在までに3コース行った.治療開始直前のhCG38,021mIU/mlが,治療開始7週間後6.1mIU/mlまで低下した.麻痺・高次機能障害は軽度残るが改善傾向にある.最近10年間に当科で治療した絨毛癌19例中,脳転移を有した症例は6例であった.3例は寛解,2例は治療中,1例は原病死している.年齢の中央値は40歳(25-43),全例が肺転移を有していた.初回発症時に脳転移が明らかであった症例は2例,治療中に脳転移が見つかった症例が4例であった.脳転移に対しては,開頭術が2例,定位照射が4例(重複有り)で施行された.化学療法は本症例以外の5例では,いずれも3レジメン以上が行われていた.【結語】脳転移病巣に対しては,局所療法(手術・定位照射)がほとんどの症例で行われていた.難治性絨毛癌の治療中に新たに脳転移が見つかることも多いため,寛解しない症例では,頭部MRIによる新病変のスクリーニングも必要と考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 414-414, 2014


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