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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
濃厚血小板輸血後に輸血関連循環負荷(TACO)を発症した骨髄異形成症候群(MDS)合併妊娠の1例


林 理雅, 早田 英二郎, 片倉 雅文, 大路 斐子, 北村 衛, 釘宮 剛城, 松江 陽一, 土屋 雄彦, 間崎 和夫, 前村 俊満, 片桐 由起子, 森田 峰人
東邦大学産婦人科


【緒言】骨髄異形成症候群(MDS)合併妊娠で大量の濃厚血小板輸血を余儀なくされ肺水腫を合併した1例を経験したので報告する.【症例】35歳,1経妊0経産.MDSにて当院血液内科通院中,自然妊娠により妊娠が成立し近医で管理されていた.妊娠36週6日に骨盤位のため帝王切開術の予定であったが,濃厚血小板40単位輸血後も十分な血小板数の増加を認めず,帝王切開術施行困難と判断されたため,妊娠37週0日に当院へ転院となった.入院時,Hb8.0g/dl,白血球6,600/μl,血小板2.5万/μlのため濃厚血小板を40単位輸血し血小板8.5万/μlまで増加したため帝王切開術を施行し,2704gの女児を娩出した.濃厚血小板は術中,術後に110単位輸血した.術中の出血量は1,775mlであった.術後2日目に呼吸困難とピンク色の泡沫状痰を認め,胸部X線で輸血関連循環負荷(TACO)に起因した肺水腫と診断した.利尿剤使用で尿量を確保し,術後3日目には改善を認めた.創部からの持続する出血は認められず,抗血小板抗体陽性でHLA一致血小板の輸血が推奨される状態であり,採血上血小板は2万/μl以上保たれているため輸血せず経過観察となった.【考察】一般的にMDS合併妊娠の妊娠分娩管理は,妊娠中の原疾患の十分なコントロールが必須であり,分娩方式を含む集学的管理が重要である.今回我々は,血小板輸血に反応しづらいMDSであったため大量輸血を行わざるを得ず,その結果TACOによる肺水腫を引き起こした.妊娠を契機に血小板低下を認め,コントロール不良となった段階で,三次医療機関における周産期管理を検討すべきと考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 423-423, 2014


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