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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
1型糖尿病合併妊娠23例の周産期予後に関する検討


嘉屋 隆介, 青木 宏明, 笠井 章代, 津田 明奈, 小西 晶子, 田沼 有希子, 吉居 絵理, 上出 泰山, 種元 智洋, 佐村 修, 大浦 訓章, 岡本 愛光
東京慈恵会医科大学産婦人科


【目的】1型糖尿病合併妊娠は,インスリン投与による血糖コントロールを行っているが,未だに周産期合併症の頻度が高い.インスリンの投与法には頻回注射(MDI)と持続皮下注入療法(CSII)があるが,これらの投与法と周産期予後を比較検討した報告はほとんどない.当院で妊娠・分娩管理した1型糖尿病症例のインスリン投与法別の周産期予後について検討する. 【方法】2009年から2013年に当院で妊娠・分娩管理した1型糖尿病合併妊娠23例の診療情報を集積し,インスリン投与法の違いによる妊娠前,妊娠中のHbA1c値,heavy for date(HFD)児の出生について,後方視的に比較検討した. 【成績】全症例背景は,母体年齢33.0±4.8歳(平均±SD),初産15例,経産8例であった.妊娠前のHbA1c値は7.48±1.36%,妊娠中は各妊娠三半期でそれぞれ,7.21±1.09%,6.70±0.88%,6.89±0.83%であった.分娩転帰は,正期産15例(65%),早産6例(26%),流産2例(9%)であり,妊娠35週の子宮内胎児死亡1例,妊娠21週の破水による中期流産1例,血糖コントロール不良による人工妊娠中絶1例が含まれていた.生産児20例の分娩週数は37.6±1.3週,児出生体重は3250.5±482.2gで,HFD児を8例(40%)に認めた.妊娠中のインスリン投与法は,MDIが10例,CSIIが13例であった.妊娠前,妊娠第1,2三半期のHbA1c値に差を認めなかったが,第3三半期ではCSIIよりMDIでHbA1c値が不良であった(7.22±0.67% vs 6.59±0.67%).HFD児の出生とは関連しなかった. 【結論】1型糖尿病合併妊娠の周産期予後は,当院においても良好とは言えなかった.インスリンの投与法も含めたより慎重な妊娠・分娩管理が必要であると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 423-423, 2014


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