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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
妊娠中にRestless legs syndromeを発症し治療に苦慮した一例


志村 隆行, 西村 良平, 武田 哲, 加藤 清, 本道 隆明, 木村 薫
厚生連篠ノ井総合病院産婦人科


 Restless legs syndrome(以下RLS)は,夜間に下肢を中心とした異常知覚と強い運動欲求が生じ,そのために深刻な睡眠障害を来す疾患である.特発性と二次性に分類され,二次性RLSの関連疾患の一つに妊娠があげられる.原因は明らかではないが,ドパミン神経系機能異常が関与しているとされている.われわれは妊娠に合併し,治療に苦慮したRLSの一例を経験した.症例は37歳の初産婦.不妊治療にて妊娠が成立し,妊娠9週から下肢痛,不快感を時々自覚していた.妊娠13週にプロテインS活性,抗原の低下を認め,血栓予防のためアスピリンを内服,妊娠14週から切迫流産のため塩酸リトドリン内服を開始した.妊娠31週に下肢痛のため救急外来を受診,下肢静脈血栓症は否定的で,CK 2559と高値のため薬剤性横紋筋融解症の診断にて入院となった.原因薬剤と考えられた塩酸リトドリンを中止しところCKの値は速やかに低下した.しかし下肢のむずむず感や眠気にもかかわらず横になれないという症状は,深夜徘徊,興奮状態へと悪化し,神経学的異常や精神疾患も疑われ,神経内科,心療内科へ紹介したところRLSと診断された.まずクロナゼパムの投与を開始した.また鉄欠乏がRLS発症に関連しているという報告があり鉄剤投与を試みた.若干の症状の軽快を認めたが下肢違和感と不眠の状態が持続し,体力消耗が著明となったため,妊娠37週から陣痛誘発を行い37週5日に2942gの男児を娩出した.分娩数日後から不眠は改善傾向となり,下肢症状も徐々に改善した.分娩1か月後には不眠症状も消失した.若干の文献的考察を加え報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 425-425, 2014


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