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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
帝王切開既往妊婦に発症した子宮内胎児死亡の1例


今井 宗, 角田 英範, 野池 雅実, 長田 亮介
北信総合病院産婦人科


【緒言】近年の帝王切開術増加に伴い,帝王切開既往妊婦に発症する子宮内胎児死亡が今後増加するものと推測される.今回当院にて帝王切開既往妊婦に発症した子宮内胎児死亡症例を経験したので報告する.【症例】23歳,1経妊1経産.前回の分娩は骨盤位による帝王切開であった.前医で妊娠確認後,妊婦健診を受けてきた.妊娠26週3日に胎動を認めず,前医を受診したところ子宮内胎児死亡と診断された.妊娠26週4日に当科での分娩管理を希望して初診した.胎児エコーで胎児心拍を確認できず,子宮内胎児死亡であることを確認した.胎児は骨盤位であり,児頭大横径59.7mm(23週4日相当),推定体重692g(23週5日相当)であった.羊水量は保たれており,胎盤は後壁付着で付着部の異常および胎盤早期剥離を示唆する所見は認めなかった.子宮口は閉鎖しており,頸管長は33.6mmであった.胎児死亡確認後8日目に入院とし,ラミナリアでの頸管拡張を2日間,続いてメトロイリンテル40 mLでの頸管拡張を2日間行ったところ陣痛発来し,骨盤位での分娩となった.児は752g,男児,分娩時の出血量は189gであった.経過中の血液検査で血液凝固能の悪化および明らかな感染徴候は認めなかった.【考察】子宮内胎児死亡に対しては死胎児症候群発症の可能性を考慮し,速やかに分娩誘発を行い死胎児の娩出を図ることが推奨されてきた.ただし,帝王切開既往妊婦における分娩誘発においては子宮破裂の危険性も考慮して対応する必要がある.母体にとって安全に分娩を終了させるためには,分娩方法,分娩誘発を開始する時期,分娩誘発の方法について今後検討する必要があると考える.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 425-425, 2014


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