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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【一般演題口演】
子宮頸癌放射線治療(RT)後の腫瘍残存例における子宮摘出術に関する検討
大井 隆照, 武隈 宗孝, 笠松 由佳, 角 暢浩, 久慈 志保, 田中 晶, 高橋 伸卓, 安部 正和, 平嶋 泰之
静岡県立静岡がんセンター婦人科
目的:子宮頸癌RT後の残存腫瘍例に対し,根治治療を目的とした子宮摘出術の有効性と安全性に影響を与えた因子を抽出する.方法:2009年から2012年までの間に根治的放射線治療を行った子宮頸癌I-III期症例中,子宮頚部に腫瘍の残存を認めた13例について後方視的に検討した.結果:治療法として子宮摘出術を選択したのは5例(ope群:38.5%),手術以外の治療法を選択したのは8例(非ope群:61.5%)であった.1年無病生存率はope群75%,非ope群0%(p=-0.0012,log-rank),1年全生存率はope群100%,非ope群50%(p=0.016,log-rank)であった.治療法(ope群vs非ope群)の選択に影響を与えた因子の検討では,FIGO進行期III期(20%vs100%,p=0.002),RT前MRIにて子宮体部浸潤陽性(20%vs75%,p=0.053)および残存腫瘍における傍子宮組織浸潤陽性(0%vs100%,p=0.001)が抽出された.子宮摘出法は単純子宮全摘が2例(40%),拡大子宮全摘が3例(60%)であった.術後合併症は膿瘍形成1例,創部離開1例,膣断端離開2例,水腎症1例であったが,他臓器損傷などの重篤なものは認めなかった.結論:子宮頸癌においてFIGOI-II期および子宮体部浸潤を認めない症例は,RT後腫瘍が残存したとしても単純子宮全摘あるいは拡大子宮全摘にて安全に根治が目指せることが示唆された.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
428-428, 2014
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