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<< 学会誌へ戻る 帝王切開瘢痕部妊娠（cesarean scar pregnancy：CSP）は，近年帝王切開の増加に伴い2000妊娠に1例の頻度で発生すると報告されている．CSPに対する治療には，さまざまな方法が報告されているが，いまだコンセンサスを得られた管理方針がない．今回我々は，CSPに対し子宮内容除去術を行い，メトロイリンテルにより止血した症例を経験した． 症例は41歳，3回経妊，3回経産（帝王切開3回）．妊娠反応陽性のため，無月経8週0日に前医を受診した．前医での診察では，子宮体下部に胎嚢を認め，帝王切開瘢痕部妊娠の疑いがあり，当院に紹介となった．当院での診察（妊娠8週5日）では，腹部に圧痛はなく，性器出血も認めず，内診では子宮・付属器に圧痛を認めなかった．経腟超音波では，子宮体下部前壁に大きさ39mmの胎嚢と4mmの胎芽を認めたが心拍動は確認できず，MRI検査も行い，CSPと診断した．患者に挙児希望はなく，全身麻酔下に子宮内容除去術を施行したが，頸管内より持続的な出血を認めた．オバタメトロを頸管内に挿入し，生食を50ml注入したところ，出血はなくなった．術中出血量は800gであった．術後1日目にメトロを抜去したが，大量出血なく経過した．その後外来で経過観察したが，子宮体下部に血流豊富な腫瘤を認め，少量の出血が持続した．hCG値は32mIU/mlであり，メトトレキサートの全身投与を1回行ったところ，hCG値は陰性化した．子宮体下部の腫瘤は術後6か月で消失した． CSPに対して子宮内容除去術を行う際に，メトロイリンテルによる圧迫止血は，止血のために有用であり簡便な手技である． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 429-429, 2014 |
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