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<< 学会誌へ戻る 【目的】腹腔鏡下に保存手術が可能であった腹腔（腹膜）妊娠5例において，後方視的にその臨床的特徴を検討する．【方法】当科において2004年4月から2014年6月までの約10年間でインフォームドコンセントが得られて腹腔鏡下手術を施行した異所性妊娠は143例であり，そのうち5例（3.5%）が腹腔妊娠であった．いずれも保存手術が可能であり，切除標本において病理組織学的に絨毛組織が確認された．それぞれ年齢，妊娠分娩歴，手術時妊娠週数，血中hCG値，経腟超音波所見，着床部位，術中出血量，他腹腔内異常所見の有無について検討した．5例とも自然妊娠であった．【成績】症例1：29歳，1経妊1経産，8週2日，hCG値測定なし，腹腔内貯留像，ダグラス窩腹膜，800ml，異常所見なし．症例2：33歳，0経妊0経産，7週2日，21,065.3 IU/L，子宮外胎嚢像（心拍あり），膀胱子宮窩腹膜，少量，異常所見なし．症例3：24歳，0経妊0経産，8週3日，1,315.1 IU/L，腹腔内貯留像，子宮底部漿膜，少量，異常所見なし．症例4：30歳，0経妊，0経産，7週4日，1,633.4 IU/L，ダグラス窩貯留像，ダグラス窩腹膜，475ml，異常所見なし．症例5：26歳，0経妊0経産，5週6日，5,909.6 IU/L，子宮外胎嚢像（心拍なし），ダグラス窩腹膜，少量，子宮内膜症I期（r-ASRM）．5例中3例においてクラミジア検査が実施され，いずれも陰性であった．【結論】腹腔妊娠を術前の検査所見から鑑別診断することは困難であった．腹腔内所見とくに付属器において癒着等の異常所見を有する例はなく，卵管妊娠のリスクとは関与せずに発生した． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 430-430, 2014 |
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