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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
高齢者の不定愁訴について(更年期との比較)


吉岡 郁郎
長野県立木曽病院産婦人科


 不定愁訴は,更年期女性に多いが,高齢者でも少なくはない.当院のある木曽郡内では65才以上の人口比は37.6%であり,それにより2012年4月開設の当院不定愁訴外来における65才以上の高齢者女性の占める割合も高い.当外来開設以降の女性新患数は,本年6月20日現在119名で,65才以上の高齢者は25名(21.0%)である.この方々の初診時主訴数は平均1.88±1.01個(最高5個)であった.主訴内容は多岐にわたり25種類で,訴えの多かったイライラ感や易疲労感でも各4名となっていた.その様な中で当外来では初診時全員に傾聴を慎重に行うこととしている.25名の経過として,まず4名が生活指導のみで初診を終え,内2名はそれのみで軽快,残り2名は再診時残った訴えについて治療を行い両者とも数回の来院で終診とできた.次に当院は過疎地の県立病院であることから,在庫薬剤数に制限があるため漢方薬等多くを置くことができない.そこで多岐にわたる訴えに対し慎重に傾聴を行い,18名に対する初診時の処方は9種類に抑えることができ,再診時は6名(33.3%)に追加処方が在庫薬剤の範囲内で必要となっただけであった.更に高齢者外来で問題となる認知症がある.今回傾聴を行って要領を得なかった3名にその疑いが強かった.精神科紹介を承諾頂いた1名はそれにより認知症が判明し専門の治療となった.紹介を拒否された2名には抑肝散の処方で症状の軽快を認めた.今回特筆すべきは,上記認知症(疑いを含む)3名以外の方々では,初診は1時間以内に,再診も15分以内に終了していることである.以上より今後の不定愁訴外来を含めた高齢者医療について,更年期と比較し傾聴の利用効果が示唆されたと思われる.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 431-431, 2014


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