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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
リンパ節郭清後のリンパ内圧上昇〜リンパ浮腫の病態と治療法の意味〜


三原 誠1, 原 尚子2, 河原 真理1, 椿 浩美2, 村井 則之2
済生会川口総合病院血管外科リンパ浮腫専門外来1, 東京大学医学部形成外科・美容外科2


【目的】癌関連リンパ浮腫はリンパ節郭清術および放射線治療により引き起こされ,四肢浮腫に加えて,頻発する蜂窩織炎やリンパ漏などさまざまな皮膚病変が伴うが,それらの病態や発生機序は明らかではない.今回われわれは病理学的な視点から,これらがどのような機序で発症するのか検討した.【方法】リンパ浮腫および付随する疾患の治療を行った患者について,臨床上得られた標本を基に病理学的検討を行った.切除されたリンパ漏や余剰皮膚および皮下組織,リンパ管静脈吻合術(LVA)時にトリミングした集合リンパ管をホルマリン固定し,ヘマトキシリン-エオジン染色,podoplanin染色,LYVE-1染色,CD-31染色などを行った.集合リンパ管においては,電子顕微鏡(SEM・TEM)による解析を行った.【結果】リンパ漏・リンパ浮腫部の皮膚12件(スライド総計142枚),集合リンパ管37件(スライド総計114枚)について検討を行った.リンパ浮腫部の皮膚では,真皮層でリンパ管の拡張を認めたものもあれば明らかなリンパ管の拡張を認めないものもあった.リンパ漏の部位では,表皮,真皮浅層のみ,真皮全層とさまざまな範囲でリンパ管の拡張を認めた.【考察】病理学的な所見から,癌関連リンパ浮腫はリンパ節郭清・放射線手術後の「異常なリンパ管内圧上昇」と「皮膚や集合リンパ管のダイナミックな変化」こそがTrue Pathophysiologyと考えられた.治療法に関しては,LVAやリンパ節移植など,リンパ管内圧を低下させうるリンパ路の再建術を施行することが必要であることが研究成果で得られた結論である.尚,本研究は院内倫理委員会承認,患者へのインフォームドコンセントの上,実施した研究である.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 434-434, 2014


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