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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【一般演題口演】
45歳で発症した卵巣混合型悪性胚細胞腫瘍の1例
羽生 裕二1, 西脇 哲二1, 山縣 麻衣1, 高木 亜由美1, 岩崎 秀昭1, 窪澤 仁2
千葉市立青葉病院産婦人科1, 千葉市立青葉病院病理科2
卵巣悪性胚細胞腫瘍(mixed germ cell tumor)は10-20代に好発(中央値は23歳)し,卵巣悪性腫瘍の4%を占める.悪性胚細胞腫瘍は,悪性転化を伴う成熟嚢胞奇形腫を除くと40歳未満での発症が約90%を占める.混合型胚細胞腫瘍は2種以上の胚細胞腫瘍が混合した腫瘍で,卵巣胚細胞腫瘍の5.3%を占め,卵黄嚢腫瘍と未分化胚細胞腫の合併が最も多い.今回我々は45歳という比較的高齢で発症した胎芽性癌と卵黄嚢腫瘍と未分化胚細胞腫の卵巣混合型悪性胚細胞腫瘍の症例を経験したので報告する.
症例は45歳,1経妊1経産,腹部膨満と月経不順を主訴に前医受診,超音波検査で充実性部位を伴う15 cm大の骨盤内腫瘤を認め,卵巣悪性腫瘍が疑われ当院紹介となった.腫瘍マーカーはCA19-9:82.3 U/ml,CA125:61.2 U/ml,STN:28.1 ng/ml,βhCG:<2 IU,AFP:7,900 ng/mlであり,AFPの高値を認めた.卵巣悪性腫瘍を強く疑い手術方針となった.開腹所見は,右卵巣が嚢胞状に腫大し,内腔に充実部位を認めた.腫瘍は周囲との癒着を認め術中に嚢胞壁の破綻を認めた.子宮+両側付属器+大網切除術施行した.術後診断は,mixed germ cell tumor(embryonal carcinoma,yolk sac tumor and dysgerminoma),腹水細胞診陰性,他臓器や対側付属器への浸潤・転移は認めなかった.術中破綻を認めたことから,進行期1c期と診断し,術後化学療法として悪性胚細胞腫瘍に準じてBEP療法を3コース行う予定である.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
436-436, 2014
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