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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
抗NMDA受容体脳炎に合併した卵巣未熟奇形腫の1例


齊藤 真, 長瀬 寛美, 中西 沙由理, 平原 裕也, 長嶋 亜巳, 志村 茉衣, 中島 泉, 和泉 春奈, 須郷 慶信, 飛鳥井 邦雄
横浜南共済病院産婦人科


【緒言】抗NMDA受容体脳炎は,グルタミン酸受容体(GluR)の一つであるN-methyl-D-asparate(NMDA)受容体に対する自己抗体によって発症する自己免疫性脳炎であり,2007年にDalmauらによって提唱された.本疾患は若年女性に好発し,その30%に卵巣奇形腫を合併すると報告されており,早期の腫瘍摘出および免疫療法により治癒が見込める脳炎である.今回,我々は腫瘍摘出および免疫療法の施行で良好な転帰を得た1例を経験したため報告する.【症例】34歳3回経妊2回経産.頭痛,発熱,嘔気を主訴に近医を受診.翌日増悪し当院神経内科へ髄膜炎疑いで紹介となった.血液検査,髄液検査共に異常を認めなかったため,ウィルス性脳炎の疑いで治療を開始したが,症状は増悪した.第9病日に不安感,幻視,幻聴が出現,第13病日に見当識障害が出現,第19病日には無言無動状態となった.第20病日,全身検索目的で施行した骨盤MRIで3cm大の左卵巣腫瘍を認めた.抗NMDA受容体脳炎を疑い,第24病日に左付属器切除術を施行,病理診断では未熟奇形腫だった.第27病日からステロイドパルス,免疫グロブリン療法を合わせて施行し意識レベルは改善,その後ADLも改善し第75病日に退院となった.最終的に,血清中の抗NMDA受容体抗体,髄液中の抗GluRサブユニット抗体の陽性が判明し,卵巣未熟奇形腫を合併した抗NMDA受容体脳炎と診断した.【結語】若年性の非ヘルペス性脳炎では抗NMDA受容体脳炎を考慮し,卵巣腫瘍の検索を行うべきである.早期の腫瘍切除や免疫療法の施行で良好な転帰をたどることができる.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 438-438, 2014


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