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<< 学会誌へ戻る 【緒言】パゾパニブは悪性軟部腫瘍に対する初めての分子標的治療薬で，VEGFR，PDGFR，c-Kitの3つの受容体に作用し，血管新生を阻害して腫瘍増殖抑制作用を発揮するマルチキナーゼ阻害薬である．整形外科領域での使用が多い薬剤であるが，婦人科悪性腫瘍への投与は報告が少ない．また，化学療法未治療例における有効性も確立していない．今回我々は，子宮平滑筋肉腫の診断で手術を施行し，術後初回化学療法でパゾパニブを投与した1例を経験したので報告する．【症例】85歳 2経産 閉経57歳．下肢浮腫のため内科でCTを施行し，骨盤内腫瘍を指摘され当科紹介となった．骨盤MRI，PET/CT検査では子宮体部に11cm大の腫瘍を認めた．CA125：194U/ml，CEA：3.4ng/ml，LDH：302IU/L．子宮肉腫を疑い準広汎子宮全摘及び両側付属器切除を施行したが，腫瘍は左子宮傍組織に浸潤を認め，腫瘍の完全摘出は困難であった．術後病理で平滑筋肉腫FIGOIIB期pT2bNxM0の診断となった．高齢であったため，副作用を軽減する目的で術後化学療法としてパゾパニブを選択した．100mg/dayから内服開始し，200mg/dayで有害事象なく外来経過観察していた．術後3か月よりCA125，CEA，LDHの上昇傾向を認めた．骨盤MRI，PET/CT検査施行したところ，骨盤内に腫瘍の再発は認めなかったが右下肺への転移を認めた．当院呼吸器外科で右下葉切除術を施行し，術後経過は良好である．【結語】子宮平滑筋肉腫の術後初回化学療法でパゾパニブを投与した．一般的にパゾパニブは婦人科腫瘍ではセカンドライン以降の化学療法として使用されるが，年齢やPSによっては初回化学療法としても検討されるべきである．パゾパニブ投与後1年の経過も含めて報告する． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 439-439, 2014 |
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