 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 【緒言】癌肉腫は上皮成分と間質成分がともに悪性を示す腫瘍であり，婦人科領域では子宮体部の発生頻度が高い．今回我々は，腹膜を原発とする癌肉腫の1例を経験したので報告する．【症例】70歳，1回経産，50歳閉経．53歳頃，マンチェスター手術の既往がある．子宮の下垂感と腹部膨満感を主訴に当院を受診した．内診，経腟エコーにて骨盤内に7cm大の充実性の腫瘤を認め，CA125は886mIU/mlと高値を示した．CT検査と骨盤MRI検査では多量の腹水と骨盤腔内に多発する腫瘤性病変，腹膜肥厚を認めたが原発巣を特定できず，腹水中に腺癌細胞を認めた．以上から腹膜癌IIIc期の診断にて，術前化学療法としてTC療法（PTX+CBDCA）を5サイクル施行後に開腹手術を行った．子宮と両側卵巣の腫大はなく，膀胱子宮窩に10cm大の腫瘍を認めた．他に直腸前面，小腸間膜，大網に認めた腫瘍を可及的に切除し，合わせて拡大子宮全摘出術と両側付属器摘出術を行った．病理組織診断の結果，膀胱子宮窩の腫瘍は出血，壊死を伴い，異型上皮成分とともに，サイトケラチン陰性の非上皮性異型円形細胞，紡錘細胞，bizarreな細胞の増殖があり，平滑筋と軟骨組織への分化を認めた．腫瘍は子宮壁に浸潤していたが子宮内膜と両側卵巣に腫瘍性病変を認めなかった．以上より膀胱子宮窩腹膜を原発とする癌肉腫と診断した．術後3回TC療法を追加したが，臍部皮下などに再発を認めDocetaxelを3サイクル投与後，腫瘍の摘出術を行った．しかしその後も再発を繰り返し，初回手術から2年後に永眠された．【結語】腹膜を原発とする癌肉腫は非常に稀であり，過去に数十例の報告があるのみである．予後不良であり症例の集積による治療法の検討が望まれる． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 440-440, 2014 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |