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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
加重型妊娠高血圧腎症を発症し妊娠継続を断念した卵子提供後品胎妊娠の1例


滝戸 なほみ, 松田 繁, 津村 志穂, 笠井 靖代, 木戸 道子, 宮内 彰人, 杉本 充弘, 安藤 一道
日本赤十字社医療センター産婦人科


【緒言】卵子提供で品胎妊娠となったが,妊娠高血圧症候群の増悪により人工妊娠中絶を選択した1例を経験した.【症例】48歳,0経妊0経産.妊娠前血圧は正常で,蛋白尿などの異常指摘はなかった.27歳結婚,33歳より不妊治療を開始した.同年,子宮筋腫,両側卵巣内膜症性嚢胞にたいして開腹手術を実施,術後GnRHアナログ療法を行ったところ,卵巣機能不全となった.その後45歳までに人工授精を複数回実施したが妊娠成立せず,48歳米国にて提供卵子を用いて顕微授精を行い,新鮮胚盤胞2個を移植し二絨毛膜三羊膜性品胎妊娠となった.妊娠13週より血圧が上昇傾向となり,妊娠16週ラベタロール内服を開始した.妊娠17週より尿蛋白陽性化した.妊娠19週自宅血圧150-160/90-100mmHg台と上昇,末梢性浮腫増強により体重が2週間で4kg増加した.ニフェジピン内服併用を開始し,全身管理目的で入院を開始した.その後も体重は増加を続け,尿蛋白8.5g/日と増悪,尿量減少,両側胸水が出現した.腎臓内科医と治療の選択肢について協議した上で,本人,夫と面談,人工妊娠中絶を決断した.妊娠21週0日ゲメプロスト膣坐剤を使用し分娩誘発,同日分娩に至った.降圧剤調整に日数を要したが,酸素需要などの全身状態,尿蛋白,肝逸脱酵素などの数値は緩徐に改善し,流産後15日目に退院した.流産後118日目に尿蛋白正常化し,降圧剤を中止した.【結語】卵子提供後妊娠は,周産期合併症のリスク上昇の指摘はあるものの,周産期予後は比較的良好であると報告されている.本症例では品胎妊娠が妊娠早期での加重型妊娠高血圧腎症発症の誘因の一つとなり,妊娠継続が困難になったと判断される.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 442-442, 2014


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