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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【一般演題口演】
アンケート調査にみる産後排尿障害のリスク因子


中川 潤子, 笠井 靖代, 杉本 充弘, 安藤 一道
日本赤十字社医療センター産婦人科


【目的】妊娠に伴い骨盤底にかかる負担は大きく,排尿困難,尿失禁などの排尿障害は産褥期の生活の質に大きな影響を与える.今回,産後の排尿障害の実態を明らかにするためにアンケート調査を行ったので,その結果を報告する.【方法】対象は2012年7月から8月に当センターで正期産,単胎分娩した103名で,方法は,産後入院中と1か月健診時の2回,自己記入式アンケート調査で,項目は,母体情報(年齢,経産回数,BMI等),分娩情報(分娩週数,分娩方法,会陰切開の有無等),新生児情報(体重),産後の身体症状(排泄障害の有無等)について同意を得て行った.【結果】対象の年齢は平均34.5才,初産婦は64例,自然分娩64例,器械分娩25例,帝王切開分娩14例で,分娩週数は平均39.3週,分娩所要時間は平均11.7時間,児体重は平均3081g,会陰切開は53例に行った.産後入院中に何らかの排尿障害を自覚した症例は32例(31.1%)で,初産婦では,25例(39.1%),経産婦では,7例(17.9%)であった.有症状率は,分娩様式別では,自然分娩で26.9%,器械分娩で42.9%,帝王切開分娩で13.3%,会陰切開術の有無別では,会陰切開有りで68.8%,無しで43.7%であった.症状の有無別で母体の年齢,BMI,分娩時間,児体重等に有意差は認めなかった.1か月健診時に排尿障害を認めた症例は19例(18.4%)で,症状の有無別で,有り,無しの順で,母体年齢は36.2才,34.2才,分娩時BMIは25.0,23.3で有意差を認めた.【結論】産後の排尿障害は約3割に認め,そのリスク因子として,初産婦,吸引分娩,会陰切開があげられ,特に母体の高年齢,分娩時の肥満が1か月後にも症状持続に影響することが示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 447-447, 2014


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