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“関東連合”のあり方に関するアンケート調査―結果の報告― [2009/10/1]
第113回学術集会
会長 岡井 崇
幹事 下平 和久
<はじめに>
本会は日本産科婦人科学会地方部会の関東地域の集合体として活動し,主な事業は機関誌「関東連合地方部会会報」の発刊と年2回の学術集会の開催である.
第113回学術集会の担当にあたり,上記事業の今後のあり方等に関し会員の意見を聴取すべくアンケート調査(表1)を行ったので,その集計結果を報告する.
表1 (144K)
<アンケート結果>
I.回答者の背景
有効回答数は968で,アンケート用紙送付者の16%であった.回答者の勤務先,役職と経験年数についての集計を図1に示すが,役職と経験年数から,回答者はかなり高年齢層に偏っていると言える.これは,アンケート用紙の送付を会誌に同封する方法で行ったため,会報をあまり読まない若手層からの回答が少なかったことによると考えられ,従って,この集計結果が必ずしも会員全体の意見を代表していない可能性があることを念頭に入れておく必要がある.
図1 回答者の背景 (327K)
II.会報について
(1)電子ジャーナル化について
会報が電子ジャーナル化されていることを知っている人は34.1%と少なく,知っていても利用していない人が47.1%に達することが分かった.この結果は年代層とも関連している可能性もあるが,更なる広報の必要性を窺わせるものである.一方,今後については,知っている人の64.5%が電子ジャーナルの継続を希望していた.
(2)会報の講読について
既述の如く,会報を読んでいる人が回答した結果と考えられるが,本会報の講読は,毎号41%,しばしば28%,たまに26%であった.論文の分類については63.2%が知っていたが,学術集会で発表されていない論文も掲載していることを知っている人は49.6%であった.掲載論文の内容については図2に示す様に有用であるとの回答が多い.一方,会報を読まない理由は種々であるが,今後掲載を希望する内容としては“疾患のレビュー”が最も多かった(図3).
図2 会報の内容について (201K)
図3 会報を読まない理由と今後掲載を望む論文の種類 (500K)
III.学術集会について
学術集会の開催についての回答では年1回でよいが32.6%,現行の年2回を希望するが62%であった.
一般演題発表の方法については図4の如く,口演とポスターが選択できることを希望する,が47%と最も多かった.
図4 一般演題発表の方法について (392K)
IV.会費について
会費については,“現行でよい(日産婦,関東連合,地方部会を合わせて一括納金)”が70.6%を占め,会費の支払いに“選択の自由を与える”は25%であった.
V.関東連合地方部会のあり方について
現行の学会のあり方に関しては,図5に示す如く現状維持が約半数を占めた.現状維持を支持する意見は診療所医員に最も多く,大学教授では改革又は廃止の意見が半数近くに及んだ.
図5 関東連合地方部会のあり方について (498K)
<おわりに>
今回の調査では期待に反してアンケートへの回答者が少なく,対象者の5分の1にも満たなかった.これは調査の方法に一考の余地があることを示しており,会員の注意を惹く良い手立てを考えなければ多数の意見を聴取することができないことを痛感した.若手会員の中には会報に目を通すこともない者がいるとも仄聞する.その人達の意見は当然反映されていないと考えられ,現状に満足している会員が多いと結論付けることはできない.彼らも含めて全員が年間5,000円の会費を支払っているのであるから,会費は会員のために有益に使わなければならない.本学会のあり方については,会員の意思を尊重しながら,今後更に論議を深める必要があると思われた.
雑誌44巻4号にて掲載
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