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<< 学会誌へ戻る 子宮平滑筋肉腫の術前診断は困難であり，内膜生検で肉腫組織が採取し得る例は極めて少ない．急速な臨床経過あるいは画像診断でその疑いがもたれ，術後組織診断にてはじめて確定診断される場合が大部分を占める．今回我々は内膜組織診にて術前に腫瘍組織を採取することができ，臨床所見と併せて子宮平滑筋肉腫と臨床診断し得た症例を経験した．症例は51歳，平成10年10月，過多月経のため初診．経腟超音波にて5cm大の子宮筋腫を認めたが，子宮頸部，体部細胞診では異常なく，貧血も認めなかったために3か月ごとの経過観察とした．平成11年9月に再度過多月経により受診したが，腫瘤の増大は見られず酢酸ブセレリンの投与を開始した．その後少量持続出血があり，2回目の酢酸ブセレリンの投与後に腫瘤の急速な増大を認め，約2か月間に小児頭部にまで増大した．内膜組織診で未分化癌もしくは肉腫との診断を得，それに加え臨床経過，画像所見及びLDH高値より臨床的に子宮平滑筋肉腫と診断し開腹手術を行った．子宮は小児頭大で，病理組織検査にて子宮平滑筋肉腫と確定診断され，現在化学療法中である． 内膜組織診では，多形性に富み異型の強い腫瘍細胞が充実性に増殖し，核分裂像も散見され，未分化癌あるいは肉腫が推定された．以上の内膜診所見と臨床経過より術前に子宮平滑筋肉腫と臨床的に診断し得た． Key words：uterus, leiomyosarcoma, endometrial biopsy 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 37(4) 427-431, 2000 |
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