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【症例報告】
septic shockより多臓器不全に至った卵管留膿腫の1例


輿石 太郎, 小野 大輔, 名倉 麻子, 秦 奈峰子, 幡 亮人, 五十嵐 優子, 長田 久夫, 古堅 善亮, 三橋 直樹
順天堂大学医学部附属静岡病院産婦人科


 症例は58歳の女性.独身で性交渉の経験はない.約30年前に慢性関節リウマチを発症.ここ20年はプレドニゾロン10 mg/日を内服していた.また数か月前より全身皮膚に潰瘍が出現していた.2006/3/26に39度の発熱と意識消失のため,前医(総合病院)へ入院.その後,意識は回復したものの下腹痛が出現し白血球700/μl,血小板3.6万/μl,CRP 21 mg/dl,腹部CTで大量の液体貯留を認めた.消化管穿孔による汎発性腹膜炎を疑われ当院へ搬送され開腹術を行なった.術中に卵管留膿腫の診断に至ったため付属器切除及び腹腔ドレナージ術を施行した.術後はseptic shock,DIC,急性肺障害の状態となり,抗生剤を投与し抗凝固療法やlow dose steroid therapyを行なった.カテコラミン,輸血およびアルブミン製剤も使用し血圧,尿量を保つように管理した.動脈血,腹腔内,子宮内の培養よりbacteroides species,proteus mirabilisが検出された.その後,感染は改善傾向となり術後9日目に抜管し会話可能な程に回復した.しかし術後10日目に再度,呼吸状態が悪化しseptic shock,DIC,ARDSに陥った.その後は培養結果を見て抗生剤変更を繰り返したが多臓器不全に進行して術後37日目に死亡に至った.また皮膚潰瘍は帯状疱疹の診断であった.

Key words:pyosalpinx, pelvic inflammatory disease, septic shock, low dose steroid therapy, rheumatoid arthritis

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 44(4) 363-369, 2007


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