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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
遺伝
モザイクトリソミー18の一例


杉藤 祐美, 西 健, 大塚 純子, 市塚 清健, 鈴木 真, 岡井 崇
昭和大学産婦人科


 18トリソミーは小脳萎縮,心奇形,overlapping fingerなど多発奇形を合併し,生命予後不良な疾患である.一般的には胎児超音波にて本疾患に特徴的な多発奇形を認めた場合に,染色体検査を施行し本疾患を診断する.しかし,モザイクトリソミー18ではその発生組織がどこであるかにより,合併奇形の程度,予後は異なると言われており,知的障害を認めなかったという報告もある.今回われわれは羊水染色体検査にてモザイクトリソミー18と出生前診断された症例を経験したので報告する.症例は41歳3経妊2経産.高齢妊娠のため本人希望にて,トリプルマーカーテストを施行し,18トリソミーである確率が約1/4,21トリソミーである確率が1/89以上という結果であった.そのため,羊水染色体検査を施行したところ,47, XY,+18/46, XYのモザイクトリソミーであり,その比率は29:31であった.胎児超音波検査上,大動脈騎乗,VSDなどファロー四徴症を強く疑う所見を認めたが,その他18トリソミーに特徴的な奇形を含めた胎児異常所見は認められなかった.両親に対し十分なインフォームドコンセントを行った結果,妊娠の継続を希望された.しかし25週1日に胎動不覚を主訴にして来院したところ,胎児心拍停止しておりIUFDと診断した.家族の意向にて剖検は行われなかったが,overlapや手足の異常などの外表奇形は認めなかった.モザイクトリソミーでは,個々の症例により生命予後,知的障害の程度が様々であるので,合併奇形の有無の検索を十分に行い,両親にしっかりとインフォームドコンセントすることが重要であると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 264-264, 2001


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