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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
その他の腫瘍(2)
動注NACが奏効した81歳,外陰癌IVa期の1例


渡邉京子1), 佐藤奈加子1), 野末彰子2), 西出 健3)
筑波メディカルセンター病院婦人科1), 総合守谷第一病院産婦人科2), 国立西埼玉中央病院産婦人科3)


 進行外陰癌の手術療法や放射線療法はQOLを損ないやすく,重い合併症も併発しやすい.今回我々は,尿道浸潤を伴うIV期外陰癌に対し動注Neoadjuvant chemotherapy(NAC)を併用することで,著明な腫瘍の縮小が図れ,尿路変更することなく根治手術が可能となった症例を経験したので報告する.
 症例は81歳,1年半前から外陰部腫瘤を自覚していたが放置.腫瘍の増大と疼痛出現したため当院を受診した.左小陰唇内側から発した4×5cmの腫瘍を認め,陰核,尿道,腟への直接浸潤,および両側鼠径節転移を認めた.組織学的には角化型扁平上皮癌であった.根治手術は侵襲が大きいと判断.左内腸骨動脈内に動注カテを留置し,UFT300mg/body内服(連日)併用,5-FU250mg/body(day1−4)+CDDP10mg/body(day2−4)の動注NACを5クール施行した.2クール目以降,腫瘍の著明な縮小が認められ原発巣は径7mm大にまで縮小し,血中SCCも12.0ng/ml→2.6ng/mlにまで低下した.嘔吐および外陰皮膚びらんが薬物有害反応として認められたがGrade2であった.NAC開始後6週目に尿道部分切除を含む広汎外陰切除が施行できた.組織学的に手術断端は陰性で鼠径節転移も消失していた.術後,腸骨血管領域45Gy,鼠径部54Gyの外照射を追加し現在再発兆候なく外来観察中である.
 5-FU+CDDP動注療法は外陰扁平上皮癌に有効であり,進行外陰癌の治療においてQOLを保ちながら,より侵襲の少ない根治治療を行なうためにも有用な治療法と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 305-305, 2001


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