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第103回学術集会(平成14年6月9日(日))

【一般演題】
妊娠中毒症(3)
急性腎不全に至り血液透析により救命し得た産褥子癇合併のHELLP症候群の1 例


吉沢 恵理, 小堀 宏之, 木村 美葵, 安堂 裕介, 淡路 正則, 長沢 敢, 山本 勉
越谷市立病院産婦人科


 HELLP 症候群は妊娠中に発症する溶血,肝逸脱酵素上昇,血小板減少を主とする疾患である.今回,我々は産褥1 日目に発症し,子癇発作を合併したHELLP 症候群の1 例を経験したので報告する.症例は0 経妊0 経産の26歳.既往歴には特記すべき事はなく,妊娠経過は他院でフォローをされていた.妊娠経過中,妊娠中毒症を疑うような尿蛋白や高血圧,浮腫等は認めていなかった.2001 年6 月19 日17 時59 分(36 週1 日)経腟分娩で1,778 gの女児を出産.児は低出生体重の為NICU に搬送となった.分娩後約24 時間経過した頃より突然の上腹部痛を訴え,高血圧を認めた為,降圧剤の投与を受けた.その後も上腹部痛が持続し,分娩後27 時間後から血色素尿を認め,妊娠中には認められなかった血小板減少(10.2 万/μl )がみられ,HELLP 症候群を疑い当科へ母体搬送となった.
来院時,高血圧と下肢にごく軽度の浮腫を認める以外は全身状態に異常は認めず.血液検査ではplt 11.7 万/μl ,GOT 780 IU/μl ,GPT 616 IU/μl と肝逸脱酵素上昇,血小板減少を認めた.分娩後28.5 時間後に子癇発作を発症.その後,抗凝固療法や肝庇護剤の投与を行うが,産褥2 日目にはGOT 3,290 IU /μl ,GPT 1,268 IU /μl まで上昇,血小板数は3.0万/μl まで低下した.また溶血による腎尿細管障害を予防する目的でハプトグロビンの投与を行ったが,産褥4 日目頃より尿量の減少を認め急性腎不全となり,合計10 回に及ぶ血液透析を行った.産褥15 日目より尿量の増加を認め,全身状態も改善し,産褥34 日目に退院となった.本症例の経過概要とともにHELLP 症候群の診断,管理方法などについて文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(2) 155-155, 2002


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