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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
その他
S状結腸子宮瘻を形成した大腸憩室症の一例


曽根 国瑞, 高田 恭臣, 橋本 耕一, 中川 俊介, 久具 宏司, 上妻 志郎, 堤 治, 武谷 雄二
東京大学産科婦人科学教室


 大腸憩室症は本邦でも近年増加傾向にある疾患である.その合併症の一つに瘻孔形成があるが,結腸膀胱瘻,結腸皮膚瘻が多く,両者で瘻孔形成例の8割以上と報告されている.今回,我々はS状結腸子宮瘻という稀な症例を経験したので報告する.【症例】69歳4妊3産.平成14年1月,水様性帯下と性器出血を主訴に当科初診となった.初診時内診,超音波検査で特に異常を認めなかったが,内膜組織診で子宮内膜炎の所見があったため,セフェム系抗生剤投与を行い,一時的に所見の改善がみられた.その後,ぺネム系,キノロン系抗生剤など投与するも完全な症状の改善にはつながらず,膣分泌物培養検査にてKlebsiella,E. coli.などが繰り返し認められた.下腹痛や発熱などの症状に乏しかったため保存的に経過観察していたが,平成14年9月,少量の下血と黒色便が認められた.大腸内視鏡検査を施行したところ,結腸全体に多発する結腸憩室を認めた.結腸子宮瘻の可能性も考慮し,注腸造影検査,造影剤を用いた超音波検査施行するも確定診断には至らなかった.そこで,解毒用の活性炭の内服を試みたところ,帯下と子宮腔内に活性炭粒子の排出を認めた.平成14年11月,結腸子宮瘻の診断で単純子宮全摘術,両側付属器切除術,S状結腸切除術施行.摘出検体では,S状結腸子宮底間に瘻孔を認め,病理診断でも結腸,子宮底間の癒着と憩室部の炎症所見を認めた.その後創部の治癒を待ち,術後46日目で退院となった.【結語】今回稀な疾患であるS状結腸子宮瘻を,症状が乏しかったにも関わらず,超音波造影剤と解毒用活性炭を用いて極めて簡便かつ非侵襲的に診断しえた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 182-182, 2003


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