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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
妊娠・分娩(4)
塩酸リトドリン投与中に高CPK値を呈した3例


奥津 由記, 平井 邦彦, 代田 琢彦, 房間 茂由, 萩原 哲夫, 井槌 慎一郎, 斉藤 寿一郎, 三室 卓久, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学病院産婦人科


 塩酸リトドリンは切迫早産症例に汎用されるが,その副作用として横紋筋融解症や類似した症例の発症が近年報告されている.我々は,塩酸リトドリン投与中にCPK値上昇を呈し横紋筋融解症の発症が懸念された症例を経験したので報告する.症例は34歳,0経妊0経産,hMG-hCG妊娠.妊娠27週4日,切迫早産にて塩酸リトドリン(133μg/min)経静脈的投与開始した所,顔面にピリピリとした痛みの訴えがあった.皮膚症状持続,切迫早産症状が軽快したため27週6日,内服治療に変更.29週0日,再度腹緊を認めたため経静脈的投与を再開した.30週2日,発熱38.3℃,WBC15800/μl,CRP4.5,CPK166U/l(正常値20〜160U/l),D-dimer 20.4μg/lと上昇,大腿部疼痛を認めた.横紋筋融解症を疑い,塩酸リトドリンを中止し硫酸マグネシウム経静脈的投与に変更した.血中アルドラーゼ5.6IU/l,血中ミオグロビン34ng/mlと上昇は認められなかった.CPK値は翌日1488U/lを最高値として徐々に低下し,10日目に正常値化した.筋電図は正常であった.塩酸リトドリン投与による横紋筋融解症は,筋緊張性ジストロフィー(以下MD)などの筋疾患を基礎疾患にもつことが多い.本症例は,MDの家族歴を有しており遺伝子診断を行ったが結果は正常型であった.35週5日,陣痛抑制不能となり経膣分娩に至った.児は1894g,Apgar score 8/9点であった.塩酸リトドリン投与中に類似な症状とともにCPK上昇を認めた2例を最近経験した.塩酸リトドリンの副作用として重篤な横紋筋融解症のみならず類似した症例を念頭において管理していく必要がある.その際,症状の悪化を防ぐためにもCPKの定期的な血液検査を行いながら投与することが望ましいと思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 212-212, 2003


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