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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
胎児・新生児(3)
胎内治療を行った胎児甲状腺腫性甲状腺機能低下症の一例


杉浦 健太郎, 中島 紳太郎, 岩崎 稚子, 石渡 巌, 遠藤 尚江, 新家 秀, 大浦 訓章, 恩田 威一, 田中 忠夫
東京慈恵会医科大学産婦人科


 胎児甲状腺腫は嚥下困難による羊水過多,回旋異常による分娩障害,出生後には圧迫性の気道閉塞で呼吸障害を呈する可能性があり胎内治療の適応とされる.胎児甲状腺腫の多くは甲状腺機能低下状態にあり原因として胎児の甲状腺ホルモン合成障害,母体の抗甲状腺剤,ヨードの過剰摂取が指摘されている.今回我々は胎内治療を行った胎児甲状腺腫性甲状腺機能低下症の一例を経験したので報告する.症例は32歳1経妊1経産,甲状腺機能亢進症でチウラジール300mg/dayを服用しており,妊娠36週4日に羊水過多と胎児頚部腫瘤を指摘され紹介入院となった.超音波検査,MRIで前頚部に左右対称な3×3.7cm,2.7×3.5cmの腫瘤を認め,胎児臍帯血にてTSH=100μIU/ml以上,f-T3=1.07pg/ml,f-T4=0.29ng/mlと胎児の甲状腺機能低下状態を確認した.腫瘤圧迫による新生児の呼吸障害を考慮し,家族に十分な説明を行った後,レボサイロキシン羊水内投与による胎内治療を施行した.一週間後腫瘤は2.6×3.0cm,2.6×2.6cmと縮小した.再度レボサイロキシン羊水内投与を行った後自然破水,残存腫瘤による第1回旋障害を考え,帝王切開にて児を娩出した.出生時の臍帯血ではTSH=33.0μIU/ml,f-T3=2.31 pg/ml,f-T4=1.40 ng/mlと甲状腺機能は改善しており前頚部皮膚は弛み明らかに腫瘤は縮小していた.その後さらに児の甲状腺機能は改善し生後28日目に退院した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 233-233, 2003


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