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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
腫瘍/思春期・更年期・老年期
外陰epithelioid sarcomaの一例


菊地 真理子, 木村 正博, 岡垣 竜吾, 小川 博和, 小林 浩一, 石原 理
埼玉医科大学産婦人科


 【緒言】外陰部のepithelioid sarcomaはきわめて稀で,世界で16例,本邦では笠松らの1例報告があるのみである.今回我々は,22歳の若年者に発症した外陰部のepithelioid sarcomaの1症例を経験したので報告する.【症例】22歳未経妊,未婚.家族歴,既往歴に特記すべきものなし.1年前より外陰部に腫脹を自覚するも放置していた.疼痛のため前医受診し,外陰癌を疑われ当科紹介となった.来院時,右大陰唇に6×4cmの腫瘍を認め,右鼠径リンパ節腫大も見られた.同部を生検し,epithelioid sarcomaと診断.精査加療目的に入院となった.【入院後経過】画像上,右腸骨節リンパ節腫大があり外陰癌病期分類に準じて4期であった.手術治療は不可能と判断し,chemo-radiationを選択した.外陰部69.2Gy(電子線を含む),右鼠径部50.4Gy照射,並行してCDDP 120mg+5-Fu 1200mg点滴を2クール施行し,外陰部腫瘍の縮小を得た.しかし,右鼠径部は嚢胞化し径8cmに増大した.経過中,骨髄抑制に対し輸血施行,また左下肢深部静脈血栓および右肺塞栓を発症し,ワーファリンにて対処した.初診より約2ヶ月で肺転移が明らかとなり,急速に悪化,両側胸水貯留出現.胸腔内トラカール留置し胸水排液するも呼吸不全のため死亡した.【考察】外陰部epithelioid sarcomaはきわめて稀な疾患で有効な治療法についてのエビデンスはない.本例には放射線,化学療法を施行したが,化学療法(CDDP,5-FU)は無効で,放射線療法は局所コントロールに有効だったが,転移部には無効であった.早期発見による手術治療が有効であるが,進行例に対する新しい治療戦略の開発が望まれる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 167-167, 2004


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