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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩2
上行結腸癌合併妊娠の一例


大前 真理, 服部 信, 椎名 香織, 菊地 紫津子, 澤井 かおり, 鈴木 猛, 中山 昌樹
横浜労災病院産婦人科


 妊娠中に結腸癌を合併することは稀で,妊娠10万人に1〜2人といわれている.そのうち上行結腸に発生するものは9.3%と極めて少ない.妊娠に結腸癌を合併した場合,その症状が嘔吐・嘔気・下血・便秘・貧血などで,妊娠自体によって生じる症状と類似しており診断が困難である.今回われわれは,妊娠中に腸閉塞を呈した上行結腸癌の1例を経験したので報告する.【症例】34歳,0回経妊0回経産.妊娠29週に腹痛・嘔吐を認め胃腸炎疑いで精査加療目的に入院となった.腹部X線,MRIで腸閉塞の所見を認め,絶飲食・輸液・NG tube挿入による保存療法を施行した.腸閉塞原因検索のため妊娠30週に腹部造影CTを施行したが,明らかな腫瘤影や腸管壊死像を認めなかった.一時症状は軽快傾向となり経口摂取開始したが,妊娠34週にイレウス症状再増悪したため開腹術を施行した.帝王切開術にて児を娩出後,腹腔内検索し上行結腸に腸重積を呈している腫瘍を認めたため右半結腸切除術を施行した.術後精査にて結腸癌stage 2,組織型はadenocarcinomaと診断された.術後経過は良好で術後37日目に退院となった.現在外来経過観察中で再発・転移は認めていない.【考察】結腸癌合併妊娠において母体の1年生存率は約40%といわれている.これは若年発症の結腸癌は進行が早いうえに,妊娠に合併した場合診断が遅れることが多いためである.下腹痛・貧血など妊娠経過中よく遭遇する症状が治療抵抗性であった場合悪性腫瘍の可能性も考慮し精査することが必要であると考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 183-183, 2004


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