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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩4
既往帝王切開術患者の前置・低置胎盤における術前検査所見と臨床像


鈴木 靖子1), 奥田 美加1), 春木 篤1), 石川 浩史1), 遠藤 方哉2), 安藤 紀子2), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
横浜市立大学母子医療センター1), 横浜市立大学産婦人科2)


 近年,帝王切開率の上昇に伴い前置胎盤の症例が増加しており,これらの症例で胎盤が嵌入胎盤や穿通胎盤となる症例が増加している.この場合漿膜や隣接臓器にまで絨毛浸潤が及ぶことがあり,分娩前に癒着胎盤の浸潤の程度を評価しておくことは,分娩時の出血と他臓器損傷のリスクを把握するために重要である.今回我々は全前置胎盤に嵌入胎盤を合併し,分娩前の画像所見と臨床像が一致した症例を経験したので,他の既往帝王切開術症例2例との比較を加え報告する.
 症例は29歳,3回経妊2回経産.前2回は帝王切開分娩であった.今回妊娠19週で全前置胎盤と診断され,妊娠22週より少量の性器出血あり前医にて入院管理,超音波,MRIから癒着胎盤が疑われた.妊娠26週1日前期破水のため当科へ転院となった.当院入院時の超音波検査にて全前置胎盤であり,膀胱充満時には胎盤が膀胱側に突出しているのが観察され,同部位の子宮筋層の超音波像欠損と膀胱壁の菲薄化が認められ,膀胱への穿通胎盤が疑われたため,妊娠28週4日に膀胱鏡を施行,粘膜面が正常であり粘膜下に浮腫もないことから膀胱筋層への絨毛浸潤の可能性は低いと考えられた.妊娠29週0日に約200mlの出血があり,同日緊急帝王切開術施行した.開腹所見より子宮温存は不可能と判断し,古典的縦切開にて児を娩出後,子宮全摘術を施行した.術中出血量は4600gであった.胎盤の膀胱筋層への浸潤はなく,術前の膀胱鏡の所見と一致し,超音波,MRIに加え癒着胎盤の評価においての膀胱鏡の有用性を示唆するものと考えられた.他の2症例ではMRIで子宮筋層が保たれており,子宮温存可能であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 192-192, 2004


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