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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩3
頚管粘液中IL-8測定からみたウリナスタチン膣錠の頚管熟化抑制効果


河村 隆一1), 小林 友希子2), 中村 友紀2), 大橋 涼太1), 西口 富三1), 杉村 基1), 金山 尚裕2)
浜松医科大学周産母子センター産婦人科1), 浜松医科大学産婦人科2)


 目的切迫早産の主原因が絨毛羊膜炎などの炎症であることがわかるにつれTNF-α,IL-6,IL-8などの炎症性サイトカインが注目されるようになってきた.当科では切迫早産治療として子宮収縮抑制に加えウリナスタチン膣錠による頚管熟化抑制を行っている.今回,切迫早産のウリナスタチン膣錠による治療効果及び早産予知をする目的で頚管粘液中IL-8を測定し検討したので報告する.方法と対象対象は平成16年6月から平成17年2月までに当院で入院し切迫早産治療を行った8症例とした.全症例で塩酸リトドリンを子宮収縮抑制目的で使用したのに加え,連日ウリナスタチン膣錠を腟洗浄時に挿入した.IL-8の測定は膣分泌物を治療開始前の入院時と治療後2週間ごとに採取しIL-8測定キットを用いてELISAで測定した.結果入院治療を行った症例は8症例で平均入院週数は28.1±1.6週であった.入院時に採取した頚管粘液中IL-8の値を基準とし,治療開始後の推移を評価した.治療開始後2週間では平均2.5%の低下,また分娩・退院前では平均5%の頚管粘液中IL-8低下を認めた.対象の分娩結果は平均分娩週数が37.8±3.5週,出生体重は2732±354g,治療開始からの妊娠継続期間は平均9.3±2.2週であった.結論今回,ウリナスタチン膣錠により腟洗浄を行うことにより頚管分泌物のIL-8は低下する傾向を認めた.これは切迫早産時に頚管で多量に産生されるTNF-αやIL-6,IL-8などのサイトカインがウリナスタチン膣錠の抗炎症作用により抑制されたものと考えられる.切迫早産管理として子宮収縮抑制だけでなく頚管熟化抑制も重要な治療でありウリナスタチン膣錠は頚管熟化を抑制に有用であると考えられる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 174-174, 2005


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