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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【市民公開講座2】
赤ちゃんの聴覚スクリーニング〜長野県の現状と今後の展望〜


宇佐美 真一
信州大学耳鼻咽喉科 教授


 先天性難聴の発生頻度は,出生1,000人に約1人と言われており,先天性疾患の中で最も高頻度に認められる疾患の一つである.そのうち半数は難聴のハイリスク児であるが,残りの半数は出生時には何ら異常を示さない児であり,ユニバーサルスクリーニングが行わなければ難聴の早期発見は困難である.難聴を早期に発見し適切な療育を早期に開始すれば,言語能力の獲得が容易になることが明らかにされ,近年欧米を中心に聴性脳幹反応(ABR)や耳音響放射(OAE)を用いた新生児聴覚スクリーニングが普及してきている.我が国でも平成12年より厚生労働省の研究班を中心として0歳の段階での難聴児早期発見を行うことを目指した聴覚スクリーニングのモデル事業が開始された.現在全国的に新生児聴覚スクリーニングが広まりつつあり,難聴児が早期発見され始めているが,それに伴い種々の問題も生じ始めている.この新生児聴覚スクリーニングの目的は難聴児を早期に発見し,早期に療育を開始することによって,言語発達を促す点にあるが,残念ながら発見した後の療育まで視野に入れスクリーニング事業が開始されている自治体は少ないのが現状である.
 長野県においても平成14年より自治体主導で新生児聴覚スクリーニングが開始された.長野県における新生児聴覚検査事業の内容は(1)聴覚検査機器整備への補助(産科を標榜する自治体立を除く医療機関に機器整備の1/3を補助),(2)新生児聴覚検査システム作りというものであり他の自治体に見られるような検査費用の補助ではない点に特徴がある.その結果,県内のほとんどの分娩取扱医療機関にスクリーニング機器が整備され基盤が出来上がったが,長野県では療育体制が未整備のままスクリーニング事業が始動してしまったため,現在療育体制の早期確立が緊急の課題となっている.欧米では早期療育プログラムとして,医師,看護師,言語聴覚士,臨床心理士,カウンセラー,教育者など様々な専門家が聴覚障害児を多面的に評価しながら個々の療育を行うことで,言語発達の良い成績を残している.本邦では聾学校と難聴幼児通園施設が療育の中心機関となっているが,今後各地域の実情に合わせた療育チーム作りが早急に行われる必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 283-283, 2005


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