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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【ランチョンセミナー3】
これまでに体験してきた腹腔鏡下手術を振り返って―反省点とそこから生まれたもの―


伊熊 健一郎
宝塚市立病院 診療部長


 [背景]手術としての腹腔鏡との出会いは外科の胆嚢摘出術がきっかけである.摘出した胆嚢を10 mmトロカー孔に誘導し,内溶液を体外から吸引してしぼんだ胆嚢の回収方法がヒントとなった.1991年に癒着のない卵巣嚢腫に対して行った“体外法”の誕生である.しかし,症例を重ねるに幾多の難題や課題と直面.合併症や偶発症,悪性腫瘍にも遭遇した.必要なことは,手技や手法の習熟やチームワークは勿論のこと,創意・工夫,術式の改良,さらには使用する器具・器材の開発などであった.勿論,標準術式である体内法は必要不可欠な手法として認識し導入を図った.さらには自身で胆石による腹腔鏡下胆嚢摘出術の体験もした.世に送り出した体外法の進化の過程を振り返ると共に,そこから生まれた手術展開やどうしても必要となる止血法の一つとしてタココンブも導入した.これらの内容と自身の体験についてもビデオで供覧したい.
 [生み出したもの](1)卵巣嚢腫の体外誘導経路に恥骨上のトロカー孔を選択.(2)簡便なワンタッチ操作としてバルーンを導入.(腹壁釣り上げ法も可能)(3)嚢腫内容液の目盛り付き吸引針とSAND Balloon Catheterの開発.(4)体外法と体内法を合わせた混合法の手術展開.(5)恥骨上トロカー孔の腹壁保護を目的にLAP DISC miniを開発.(6)触覚を導入したFinger Assist Techniqueを考案.これらにより安心して提供できる体外法が確立.また,応用として(7)子宮筋腫摘出術に対するBottom Up Techniqueも編み出した.
 [予定ビテオ内容](1)体外法の変遷過程,(2)合併症との遭遇,(3)体外法の展開,(4)体外法の応用,(5)実際の手術体験,などから.
 [結語]腹腔鏡下手術は安全で確実で何よりも安心して患者様に提供できなければならない.そのためには,術前診断,手術適応,手技の習熟は勿論のこと,施設や術者に応じた手法で行い,一つの手技や手法だけに捕らわれることなく,必要時には創意・工夫と柔軟で臨機応変な対処,さらには開腹への移行も選択肢の一つとしてとらえておくことも忘れてはならない内容と考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 303-303, 2005


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