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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
子宮外妊娠
日本住血吸虫卵を卵管内に認めた子宮外妊娠の一症例


疋田 裕美, 森田 豊, 中村 弘治, 竹内 沢子, 上田 万莉, 石田 友彦, 藤孝 一郎, 山本 幸彦, 丸茂 元三, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科


 日本住血吸虫症は東南アジアに広く分布する寄生虫である.皮膚より侵入した幼虫が成虫となった後,肝門脈で産卵し肝組織障害および孵化した幼虫が腸管に侵入し下血をきたす疾患といわれている.今回我々は子宮外妊娠にて腹腔鏡下卵管切除術後,病理組織検査にて卵管内に多数の虫卵を認めた稀な症例を経験したので報告する.
症例は38歳3経妊1経産.7週間の無月経および下腹部痛を認め,当院救急外来を受診した.経膣超音波断層法にて左付属器領域に径54×40 mmの腫瘤を認め,その中に胎嚢像,胎児および胎児心拍を認めた.以上より子宮外妊娠の診断で腹腔鏡下手術を施行した.左卵管膨大部妊娠と診断し卵管切除術を施行した.病理組織診断にて左卵管内日本住血吸虫卵を認めた.
超音波断層法にて肝臓は亀甲状の高輝度の線状エコーを認めた.CT検査にても辺縁の凹凸不正で網目状の亀甲状の線維パターンを示した.腹腔鏡検査では左右の肝葉は深い切れ込みを有する大結節観であった.肝生検にて虫卵を認めたものの全て石灰化などの変性をしていたため日本住血吸虫症としては非活動状態であると判断し,特に薬物療法は不要と判断した.
子宮外妊娠の要因としてクラミジア感染などの卵管内炎症の存在が考えられている.寄生虫が卵管内に存在しそれが子宮外妊娠の要因となりうる可能性を示唆する貴重な症例として提示したい.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 318-318, 2005


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