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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
子宮外妊娠
腹腔鏡下に診断・治療が可能であった卵巣妊娠の2例


衛藤 志保, 熊切 順, 島貫 洋人, 菊地 盤, 北出 真理, 武内 裕之, 木下 勝之
順天堂大学産婦人科


 自然妊娠における子宮外妊娠の発症頻度は約1%で,卵巣妊娠はこれらの子宮外妊娠のうちの0.2%に認められる稀な疾患である.今回我々は腹腔鏡下手術により根治し得た卵巣妊娠2例を経験したので報告する.【症例1】26歳1経妊1経産.妊娠5週時下腹部痛を訴え近医を受診した.経腟超音波断層法(TV-US)で子宮内に胎嚢認めず,左付属器周囲に4.5 cm大の腫瘤を認めた.血中hCGは42136 mIU/mlと高値を示し,子宮外妊娠の診断で腹腔鏡下手術を施行した.左卵巣の一部に腫大を認めたため左卵巣妊娠と診断した.手術は卵巣実質を含めた腫大部分の切除を行い,正常部分を連続縫合した.手術時間30分,出血量300 g,検体重量7 gであった.病理所見は,卵巣被膜に覆われた絨毛・脱落膜組織を認め卵胞内卵巣妊娠と診断した.【症例2】32歳1経妊1経産.妊娠7週時下腹部痛,性器出血を訴え来院した.血中hCGは18006 mIU/mlで,TV-US上子宮内に胎嚢を認めず,右付属器周囲に胎嚢が認められ,子宮外妊娠の診断で腹腔鏡下手術を施行した.腹腔内所見は右卵巣表面に血腫を伴った妊娠組織を認め右卵巣妊娠と診断した.妊娠組織は,血腫と共に卵巣表面から剥離した.手術時間70分,出血20 g,検体重量6 gであった.病理所見は卵巣皮膜上に付着した絨毛・脱落膜様組織を認め表面卵巣妊娠と診断した.いずれの症例も術後経過は良好で,血中hCGは速やかに陰性化した.【結語】卵巣妊娠には卵胞内で受精して着床する原発性と卵巣表面に受精卵が着床する続発性のものとがあり,いずれも早期に腹腔鏡を施行することで診断と治療が可能であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 319-319, 2005


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