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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍(1)
診断に苦慮した左残存卵巣出血の一例


吉岡 郁郎, 斉藤 慶弘
長野県立木曽病院産婦人科


 症例は50歳,3G2P.既往歴は,46才時,子宮筋腫で腹式単純子宮全摘術を施行.平成17年5月6日,39℃前後の発熱を認め,翌7日に当院救急外来を受診.急性上気道炎の診断にて投薬を受けるも軽快せず,9日当院内科受診.血液検査上CRP 35.1,左背部叩打痛を認め,腎盂腎炎の診断にて当院内科入院.検尿所見は無かったが,培養も提出.抗生剤の投与を行いながら精査したところ,USGにて左下腹部に腫瘤を認めたため,10日当科紹介.USG上,腫瘤は臍恥中央左側に存在し,そこに一致した圧痛と反跳痛,さらに背部の叩打痛を認めた.MRI等の所見より,後腹膜腫瘍を疑い,当院外科と協議し,同日開腹術施行.腹腔内に混濁した腹水約100 ccを認めた.癒着は左側の腫瘤周囲と思われる所以外には認められず,右付属器は問題なかった.癒着を剥離し,腫瘤が左付属器であることを確認.卵巣は凝血塊を含み嚢腫様に腫大し破裂していた.切除後,腹腔内洗浄を行い,ドレーンを留置し終了.手術翌日にはCRP 18.3と下降し,腹部・背部所見とも軽減.術後7日目にはCRP 3.2と低下.術後経過順調であったことから,術後13日目当科退院.病理診断にて,腹水はClass IIの炎症所見を認め,摘出物は卵巣出血の診断であった.なお,尿培養の結果,大腸菌が認められ,卵巣出血と腎盂腎炎の合併と判断した.腹式単純子宮全摘術後の残存卵巣に関するdataは少なく,また解剖学的位置の変化から,今回のように診断に苦慮する場合がある.下腹部痛の患者全般において,婦人科疾患の有無を精査する必要があると考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 321-321, 2005


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