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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
子宮悪性腫瘍(1)
乳房転移を来した子宮頚癌の一例


大原 麻美, 樋田 一英, 服部 美奈子, 梅崎 泉, 吉形 玲美, 池田 俊一, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科


 子宮頚癌の乳房への転移は非常に稀である.今回我々は,子宮頚癌1b2期に対して広汎子宮全摘と術後放射線療法を行い,術後約3ヵ月後に乳房に転移を来した症例を経験したので報告する.症例は46歳,既往歴,家族歴は特になく,不正出血を主訴に近医を受診,筋腫分娩を指摘され精査希望で当院を受診した.肉眼的に明らかな子宮頚癌を認め,子宮頚癌1b2期と診断された.子宮頚部細胞診はクラス5,頚部組織診ではSCC,NK-typeであった.根治目的で広汎子宮全摘+右付属器切除+骨盤リンパ節郭清を行った.術後進行期はpT1b2 N0 M0であった.断端陰性で脈管浸潤などはなかったが,腫瘍径が大きかったため,予防的に術後照射を行った.術後約3ヵ月後(放射線終了約1ヵ月後)に右乳房に腫瘤を自覚,外科依頼したところ,右D領域に長径1.3 cmの形状不整な腫瘤を認めた.乳癌の疑いで診断的腫瘤切除を行い,病理組織検査にて扁平上皮癌と診断された.また同時期に肺野に多発腫瘤の出現が認められたため,CTガイド下に生検を施行したところ,こちらも扁平上皮癌であった.なお肺転移は画像所見より血行性転移によるものと考えられた.今回,子宮頚癌としては非常に稀な乳房転移を経験したが,リンパ節に目立った腫大がなく,肺野にはリンパ行性というよりも血行性と考えられる陰影を認めたことより,今回の乳房転移も血行性によるものと推察した.本症例は術後3ヵ月で急激な多発血行性転移を来たし,易転移性の癌と考えられたが,稀な子宮頚癌の乳房転移を呈したこともそのことを示唆していると考えられた.また逆に,乳房など稀な部位に転移を認めた場合,他臓器への同時転移を検索する必要があると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 324-324, 2005


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