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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
妊娠・分娩(3)
双胎妊娠で予定帝王切開後呼吸困難により急激に発症したたこつぼ型心筋障害の1例


本原 将樹, 本間 進, 長谷川 明俊, 大塚 純子, 濱田 貴, 横山 和彦, 齋藤 裕
昭和大学藤が丘病院産婦人科


 たこつぼ型心筋障害は,心尖部を中心とする広範囲な左心室の収縮低下とそれを代償する心基部の過収縮により,左心室造影において収縮期の左心室があたかも蛸漁に用いられる壷のような形体を示すために“たこつぼ”と呼称される疾患である.本症発症には精神的肉体的ストレスが原因となる可能性があると言われている.今回我々は妊娠38週2日,双胎妊娠(D-D twin)にて予定帝王切開術後第1病日に,呼吸困難が出現し急激に発症したたこつぼ型心筋障害の症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.症例は32歳の初産婦,既往歴・家族歴に特記事項無く,近医でクロミフェンにて排卵誘発,双胎妊娠が判明し妊娠7週の時点で当院紹介となる.妊娠29週,発育遅延傾向を認め双胎妊娠管理入院となる.入院時から両児の推定体重は-2〜-2.8SDを推移するも胎児発育を認め,妊娠38週2日に帝王切開術を行った.児は1974 gと2106 gでアプガースコアは,両児とも10/10であった.手術時間は40分,出血量は羊水を含め1385 mlであった.術後経過は良好であり深部静脈血栓(DVT)及び,肺塞栓(PE)予防目的にてダナパロイドナトリウム投与及び間歇的空気圧迫法による下肢マッサージを施行した.術後15時間経過した午前6時頃より呼吸困難感及びSaO2の低下を認め酸素投与を行うも軽快みられず,術後肺塞栓を疑いCTを施行した.しかしDVT及びPEは認めず著名な肺水腫が存在し,心機能評価の目的にて心エコー,ECG,心カテーテル検査を行い,たこつぼ型心筋障害と診断した.帝王切開術後に急激な呼吸困難を訴える病態として心原性疾患も考慮すべきである.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 334-334, 2005


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