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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
妊娠・分娩(3)
川崎病後の冠動脈瘤に対する冠動脈バイパス術後妊娠・分娩の1例


奥平 忠寛1), 倉田 章子1), 村岡 光恵1), 高木 耕一郎1), 竹内 靖夫2), 太田 博明3)
東京女子医科大学附属第二病院産婦人科1), 東京女子医科大学附属第二病院心臓血管外科2), 東京女子医科大学産婦人科3)


 川崎病は血管炎を病態とする小児期の熱性疾患で,冠動脈瘤を伴う場合,予後不良とされていた.しかし近年,小児への冠動脈バイパス手術coronary artery bypass grafting(CABG)の導入により予後の改善が図られ,妊娠・分娩例が報告されるようになった.今回我々は,本症に対して小児期にCABGを受け,その19年後に妊娠・分娩に至った1例を経験したので報告する.症例は26歳G1P0,3歳時に川崎病に罹患し,7歳時に冠動脈病変に対しCABGを受けた.以後,抗血小板療法下に軽度の運動制限を指示されていたが,NYHA1度で妊娠は許可されていた.妊娠成立後もアスピリン内服の継続により経過観察をしていたが.循環動態ならびに妊娠経過に異常なく,妊娠30週0日,周産期管理目的にて当科へ紹介された.妊娠36週0日の心エコーで左室駆出率66%,軽度の僧帽弁閉鎖不全および三尖弁閉鎖不全を認めた.妊娠37週0日,入院の上,心臓血管外科,麻酔科と分娩方針について検討し,硬膜外麻酔併用の無痛分娩の方針でインフォームドコンセントを得て待機した.妊娠38週5日,前期破水後に自然陣発.妊娠38週6日,麻酔科による硬膜外麻酔下に,第2期短縮目的にて鉗子遂娩術施行.分娩時間8時間26分.児は3224 g,女児,Apgar score 9/9(1/5分値).出血量487g.なお分娩中ならびに産褥期には狭心症発作などなく著変なく経過した.川崎病による冠動脈瘤のCABG後の妊娠・分娩例は,今後増加することが予想されるが,他科との密な連携のもと,慎重な対応が重要であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 335-335, 2005


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