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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
妊娠・分娩(4)
新生児期に発見され予後が良好であった抗HPA−3a抗体による同種免疫性血小板減少症の一例


服部 純尚, 村上 功, 小林 祐介, 倉橋 崇, 田中 京子, 小宮山 慎一, 三上 幹夫
国立病院機構埼玉病院産婦人科


 同種免疫性血小板減少症(Alloimmune thrombocytopenia:AIT)とは,胎児血小板抗原に感作された母体血が抗血小板抗体を産生することにより,胎児または新生児血小板減少を引き起こす疾患である.今回我々は,抗HPA-3a抗体によるAITの一例を経験したので報告する.(症例)31歳,1経妊1経産.第1子の妊娠,産褥経過および新生児経過には異常は認めなかった.第2子の妊娠経過も問題なく,妊娠39週1日に経腟分娩となった.出生児は2704 gの女児で,Apgar score(1/5分値)は9/10点であった.出生直後より児の顔面,背部,臀部に紫斑を認め,血小板数は0.6×104/μlと低値であった.頭蓋内出血は認めなかった.感染症,DICを念頭に置き治療を行ったが血小板数は上昇せず,AITを疑いγグロブリンの投与を行ったところ,翌日に血小板数が1.3×104/μlと上昇した.血液検査により児の血小板型はHPA-3(a/b),母体の血中抗HPA-3a抗体が陽性でありAITと診断した.HPA-3a抗原陰性の血小板輸血とγグロブリンの投与により,日齢38には児の血小板数は28.1×104/μlまで上昇し,日齢39に退院となった.その後の検査で,母親の血小板型はHPA-3(b/b),父親の血小板型はHPA-3(a/b)であり,第1子の血小板型はHPA-3(b/b)であったためAITは発症しなかったことも判明した.(考察)AITは新生児期に発見されることが多いが,血小板抗原の種類により発症頻度や重症度も異なり,子宮内胎児死亡となる重症例も存在する.抗HPA-3a抗体によるAITは報告例が少ないが重篤化する可能性が高いとされている.新生児の紫斑を発見したときは,AIT発症の可能性も念頭に置き管理をするべきであると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 336-336, 2005


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