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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
その他の悪性腫瘍
肺原発転移性卵巣癌の1例


山地 沙知, 宮内 修, 小幡 新太郎, 杉田 達哉, 田中 圭, 上杉 健哲
成田赤十字病院産婦人科


 転移性卵巣癌の原発巣は子宮や消化管が多く,肺が原発となることは非常にまれである.今回我々は肺癌の治療中に卵巣腫瘍の茎捻転をおこし,転移性卵巣癌と診断された一例を経験したので,若干の文献的考察を含め報告する.
【症例】49歳,2経妊2経産.既往歴に4年前よりの小球性低色素性貧血あり,家族歴は特記すべきことなし.検診CTで両側肺野びまん性多発粒状影を認め,当院内科受診した.腹部エコー,注腸,胃内視鏡,ガリウムシンチ,脳MRI,気管支鏡生検の結果,消化管には異常なく,脳転移なし,左上葉に経2.5 cmの原発巣と思われるmassを認め,肺腺癌stage4(T2N1M1)の診断であった.CTにて多発肺転移,両側卵巣腫大を認め,転移または原発の疑いがあり,当科にて経過観察することとなった.腫瘍マーカーはCEA:227 U/ml,SLX:97 U/mlと高値であった.肺腺癌に対しTJ療法8コース実施し,腫瘍マーカーの上昇を認めたためイレッサに変更となった.イレッサ導入中に突然右腰背部痛が出現し,また発熱を認めたため,右卵巣腫瘍茎捻転との診断で緊急開腹し,両側付属器切除術を行った.両側卵巣は凹凸不整の充実性の腫瘍であり,周囲との癒着はなく,右卵巣腫瘍が2回茎捻転していた.淡血性の腹水が少量貯留し,細胞診は陽性であった.摘出標本の病理所見では腺癌であり,免疫染色の結果,TTF-1,CK-7,SPA陽性で,CK-20は陰性であった.このため肺腺癌の卵巣転移と診断された.術後イレッサ内服を再開したが画像上胸部病変は不変であり,腫瘍マーカーの再上昇を認めたため,現在CDDP,CPT-11療法に変更し,経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 386-386, 2005


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