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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
その他(3)
エストロゲン単独投与が奏効した自殺行為を繰り返す鬱病の一例


竹内 欽哉, 和田 久恵, 高荷 理子, 宮部 勇樹, 小澤 英親, 大井 豪一, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科


 月経周期に伴う精神状態の変化として,月経前症候群(premenstrual syndrome,PMS)が知られている.今回我々は,鬱病の診断にて精神科通院中,自殺行為のあった症例に対して,エストロゲン単独投与が奏効した一例を経験したので報告する.症例は28歳,未婚,1経妊0経産.20歳で専門学校を卒業後,ひきこもり状態となり,22歳より精神科通院して抗向精神薬の投与をうけていた.24歳時,初めて自殺企図あり睡眠薬を多量服用した.この頃より月経前に特に鬱状態あるいはヒステリックになることを自覚していた.26歳と27歳時,いずれも月経前に陸橋から飛び降り自殺を図り腰椎骨折.その後,PMSに関する新聞記事を読んで,近医婦人科受診し,低容量ピルの投与を受けるも改善せず,平成16年4月5日当科紹介となった.月経周期は29日型であったが,結合型エストロゲン0.625 mg/dayを連日投与し経過観察した.投与開始後より抑鬱状態がなくなり「今までになかったほど調子がよい」との訴えがあった.6月4日に破綻出血があり気分の落ち込みを自覚したが,結合型エストロゲンの再開にて回復した.9月27日よりエストロゲン貼付剤に変更して投与を続け,自殺行為は認められなくなった.現在,乳房および子宮癌検診を定期的に行いつつ,エストロゲン投与を続けている.PMSの診断には精神神経疾患や気質的疾患が除外されるため,本症例はPMSではないが,エストロゲン有意の状態を続けることによって,精神状態が著しく改善された興味深い症例である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 394-394, 2005


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