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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍その他2
卵巣腫瘍と鑑別困難な巨大小腸GISTの1例


宮岸 玲子, 有馬 香織, 谷口 智子, 大路 斐子, 三枝 美智子, 土屋 雄彦, 平野 孝幸, 前田 光士
都立荏原病院産婦人科


 近年,免疫組織化学的手法の進歩に伴い,間質系腫瘍(Gastrointestinal Stromal Tumor:GIST)の概念が大きく変化している.今回,我々は卵巣腫瘍を疑い手術施行後,巨大小腸GISTと判明した1例を報告する.症例は71歳,3回経妊2回経産.貧血を主訴に平成16年9月13日,当院内科受診.Hb.5.6g/dlと著明な貧血を認め鉄剤を処方されていた.貧血精査として小腸内視鏡検査を行うも明らかな出血巣はなかった.17年8月頃より,右下腹部膨満感出現.MRI検査では8×15×20cm大の巨大腫瘍が骨盤腔を占拠し,腫瘍上縁は臍上部にまで及んでいた.輝度が混在する所見などから卵巣肉腫を最も疑い,平成17年9月21日内科より当科紹介受診.腫瘍マーカーは,CA125が46U/mlと軽度上昇を認めるのみで他のマーカーはいずれも正常範囲内であった.患者に悪性腫瘍の可能性も十分に説明した後10月6日手術施行,腹腔の右側に巨大腫瘍を認め周辺組織との癒着が認められた.腫瘍の組織は脆弱で一部摘出した際,小腸組織を確認.その後,両側正常卵巣を確認,子宮は48歳時摘出されていた.外科に移行し,腫瘍摘出術及び小腸部分切除術施行.摘出標本はc-kit免疫染色での強陽性の反応を認めたため,GISTと診断.現在,メシル酸イマチニブによる化学療法を行い,貧血は改善され,外来での経過観察中である.本症例は20cm大という巨大腫瘍であり,GISTリスク分類では高リスクに当てはまる.治療法は外科的治療が原則で,化学療法は切除不能例や再発例に用いるとの報告もある.骨盤内に充実性腫瘍を認めた場合はGISTも念頭におく必要があり,鑑別方法としてはCT・MRI検査や超音波検査などによる注意深い観察が必要と考えられる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 195-195, 2006


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